私のボートとカヌー

小川 定雄

高校入学時に上背があったこともあり、多くの体育クラブからの勧誘を受けた。

断ることの口実につい何気なくボートに興味があると口を滑らせたことが運の尽きでもあり、61歳を過ぎた私のアイデンティティの一部となっていることに今では感謝している。

またカヌーとは、会社員の宿命?である転勤により名古屋から東京へと流れて再び滋賀へ戻って来たとき、今、振り返ると「若いのになんと考えていたのか」と思うが、29歳当時でもう既に体力的に自信がないのでカヌーにでも乗り、唐橋のたもとでピチャピチャと水と戯れ、アヒルと遊ぼうと思いファルトボートを購入したのがカヌーとの始まりである。

ボートから始まりカヌーへ、次いでドラゴンボートへと水上の競技(遊び)にばかり興味を持っているが、これはどうも水の揺らぎ(ユラユラと波に任せる)が私には波長が合っているらしい。

ある人から聞いたことであるが、このユラユラが気持ちよく落ち着いた気分になれるのは「胎児の頃、母の体内で羊水に浮かんでいた頃の潜在感覚が働いている」とのこと。

何となく納得できるような気になるのは私一人ではないと思われる。

現在はシーカヤックによるツーリングを楽しんでいる。 以下、チョット詩的に

波の音に目を覚まし、潮風に吹かれながら食事をする。 カヌーツーリングには決まったスタイルはない。思い思いに自由を楽しむ。 海に境界線がないようにこの旅にも明確な区切りは存在しない。 そこには生命のふるさと安らぎの場所があり、終わりのない夢、それがシーカヤックツーリング。

次に、カヌー体験教室に向け「カヌーの基礎知識」を記す。

ボートとカヌーの大きな相違点は、ボートでは力を水に作用するオールが固定されていることにより後ろ向きに進む。これに対しカヌーは水に作用するパドルが固定されていなく前向きに進めることである。(固定されていないのでボートに比し、転覆し易い)

タイプはカヤックとカナディアンに大別され、その用途により更に多くの種類がある。

カヤックは極北で生活するイヌイット達が狩猟をするときの運動性を考え、1人乗りの細くて長いスピード性のあるものとなっている。 そのため安定性が悪く転覆し易いので、コクピットの穴だけを残しデッキまで包み込んだクローズデッキとなっている。

また、パドルはシャフトの両端にブレードを持つ、ダブルブレードパドルを使う。

一方、カナディアンタイプは水の進入が即時に生命の危険にされされない地域で発達し、デッキが覆われていないオープンデッキとなっていて、シングルブレードを使う。

カヌーにはボートと同じくスピードを競うスプリントレースカヌーと遊びカヌーがある。

漕艇場で見かけるレースカヌーにはカヤックとカナディアン共に1・2・4人艇がある。

瀬田川の立木観音上流で見かける激流の中で旗門をくぐり操作性を競うスラロームやスピードだけを競うワイルドウォータ種目もある。

遊びカヌーと前述したが、これには用途により多種あり面白いものも沢山見受けられる。 このことから現時点では興味本意で集まっていて、組織性のないクラブや仲間が全国に沢山いる。

今回のカヌー体験教室にはポロ艇を使用する予定である。このポロとは元来の乗馬のポロ競技を水の中(水泳)で行う水球を更に、カヌーで行うのがカヌーポロである。

この艇は幅が広く比較的に安定感がある。がしかし、回転性能を求めている船形から参加者の皆さんは意もせぬ方向に曲がり、まっすぐに進めないことに苦労することでしょう。

ではカヌーを楽しく体験しましょう。

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