シングルスカルの重量は14〜16kg。重い?軽い?

経験と思い込みで語る艇管理講座 第5話

艇の重さ

嶋田宏之

あなたはシングルスカルを一人で運べますか?特に、ボートを漕ぎ始めて数ヶ月という人にとってシングルはかなり重く感じるのではないでしょうか?しかし、実際重さを量ってみると、14〜16kg程度です。ちょうど瀬田ロー艇庫のウエイト器具に15kgのプレートがあるので確かめてみてください。シングルとどちらが重く感じますか?

8m近くあるシングルですので、艇の重心を見極めることは慣れていないと難しく、重心を少しずれた部分を持ってしまうと、艇のバランスを保ちながら運ぶために必要以上の力が必要となります。基本的にシングルスカルの重心は、センターステイとバックステイの間(三角形を形成するリガーの後方)にあります。

シングルスカルは重過ぎて一人では運べないと思っている人は一度、艇の重心を探してみてください(※少々ふらついても安全な広い場所で)。

ちなみに、慣れてくるとダブルスカルまでなら一人で運べます。クオド以上については、たわみによる艇の故障が怖いので試したことはありませんが・・・

余談ですが、重量が軽いほど有利なボート競技なので、全日本レベルの大会では艇の重量規定があります(シングルスカル:14kg ダブルスカル27kg クオド:52kg エイト:96kg)。こうした試合では、次のレースへ勝ち上がったすべてのクルーに対して、その都度審判が設置会場で艇計量を行うよう指示します。ここで規定重量に満たなかったクルーは、問答無用で失格になってしまいます。こうした悲しいことが起こらないように、試合前日には艇計量器が開放されています。各クルーはあらかじめ自分の艇の重さを確認し、規定重量に満たない場合は、錘(おもり)を艇にくくりつけたりして対処しています。

昔、試合前日の艇軽量をまじめに行わず、本番の計量で、目盛りが13.99と14.00をウロチョロした後、14.00kgジャストを出してしまったときは本当に焦りました(^^;

<次回予告>今日は、寒くて、雨が降っていて、風が強くて、白波が出ていて・・・。そんな日は!

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