God dag!Denmark!

The Coach's CornerVol.4

Danish Rowing

坂本剛健 (goken@rowing.jp)

どうも,The Coachです.朝日レガッタでは2位3種目(M2×,W2×,JrM1×)と残念な結果になり,僕もしばらく落ち込んでいました(二日ぐらい).しかしいつまでも落ち込んでいるわけにはいかない.すばやく立ち直った選手たちは次のレースに向けてがんばっております!6月は全日本選手権にM2×(内田,嶋田),W2×(中村,黄瀬),M4×(相馬,石川,駒村,野村)の3種目が,全日本Jrに青地と相馬瑛美が参戦します.応援よろしくお願いします!

ここで恒例の一言を.毎日練習組はいつでも選手募集中です!詳しくは坂本まで.

さて,岐阜での世界選手権に向けて,各国が日本で合宿を行います.以前よりアナウンスされていますとおり,瀬田にはデンマークチームが来ることになっており,僕が受け入れ担当です.先月号の会報では杉藤氏にデンマークチームの特徴などについて書いていただきました.世界でもトップレベルのチームが我々の艇庫および水域を利用してトレーニングすると言うのですから,これはすばらしいことです.僕など艇庫に住み込んで24時間彼らの行動を観察しそうな勢いです.うちの若い選手たちは泥棒並べ()してやろうと手薬煉ひいて待っていることでしょう.そういえば92年バルセロナ前に日本代表エイトが瀬田で合宿をしていた時,シングルで泥棒並べしようと近づいて当たりそうになってしまったことを思い出しました.当時のストロークは阿部さん(現仙台大学コーチ)でした.練習の邪魔をしてゴメンナサイ.それはさておき,せっかくなので交流する場なども設けたいと思っています.その時には会員の皆さんのご協力をお願いします.

僕がDanish Rowingについて知るようになったのは,生理学者であるKurt Jensen氏や,コーチのBent Jensen氏が来日された折に講習会の通訳をさせてもらったころからです.印象は「レースで競ると勝負強い」「練習量はそれほど多くないが,とにかく練習強度が高い」「そのわりにエルゴスコアはあまり良くない」「でも乗艇ではやたら速い」といったところです.エルゴスコアについて,当時軽量1×で世界選手権を連覇していたニールセンと言う選手は6分25秒程度だったそうです.弱くはないですが,世界レベル(軽量男子の世界最高記録は6分2秒)から見たら決して強いとはいえません.それぐらいなら日本国内にもいますよね.当時世界選手権やオリンピックで勝ちまくっていた軽量4−の選手も,一人を除いて6分15秒〜20秒程度だと言うことでした(昨年アテネで優勝したクルーには6分30秒台の選手も乗っていたとか).そこで,僕も生理学者の端くれの端くれですから,Bentにガツンと言ってやりましたよ.「(エルゴがまわらないのは)ユーティリゼーション(持久的なトレーニング)が足りないのでは?」と.Bent曰く「我々はこのやり方で,過去7年間で金メダルを10個取っている」.はい,すんませんでした!という感じでした.Bentフォローして曰く「topへの道は何百通りもある.どれか一つに固執する必要はない.デンマークがなぜ成功しているのかなんて誰にもわからない.それぞれが自分の正しいと信じる方法でやればいいのだ」.

デンマークも今年は代替わりしています.軽量4−に乗っていた,デンマークでエルゴ最強(6分3秒)の選手は引退しました(僕と同い年でした).さぁ,それでもデンマークチームは勝ち続けることができるのか?楽しみに見守り,応援したいと思います.

(注) 相手の許可を得ずに勝手に併漕すること.辻斬りとも言う.

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