オリンピック種目7種目のうち4種目を制したニュージーランドにとって歴史的な一日となった。
週の初めに行われたレーン決定戦では、オーストラリアが常に先頭を走っていたが、決勝ではドイツが先行した。オーストラリアは翌日の8+の決勝も控えていたので力をセーブしていたのだろうか?500mまで逃げ切ったドイツだったが、その後あっけなくオーストラリアに抜かれてしまい、水を空けられてしまった。
ドイツに続いてベラルーシがゴールし、スタートのペースを維持できなかった韓国が最後にゴールした。
今大会、最初に演奏される国歌はオーストラリアのものとなった。
レーン決定戦ではオーストラリアが圧勝している。決勝では他のクルーは彼らに対抗できるのか?
イタリアクルーはスタートで最高のスタートを決めたが、オーストラリアはそれ以上に力強く、レート33で彼らを引き離してしまった。その後もアメリカの頭を抑えるイタリアを、オーストラリアは突き放し続けた。
引き続き、この種目でもオーストラリアの国歌が流れた。
彼女自身2回目の世界選手権となるキューバのIsmarayMarreroはスタートで飛び出した。しかしこのことはオランダのMaritVanEupenにとってそれほど気になることではなく、すぐにフランスのBenedicte Luzuy-Dorfmanと共に抜き去った。
五輪で優勝した(LW2×)ことはあるが、世界選手権では未だに勝利したことがないVanEupenは、遂に今回の大会で初勝利を収めた。ちなみに、今シーズンは新しい相方とダブルを漕いでいたのだが、この世界選手権ではシングルに転向していた。
後方では2位を走るDorfmanを、前半は最後尾に控えていたスペインのMasDeXaxarsRiveroが猛烈な勢いで追い上げていた。
最終的にはキューバ・フランス・スペインの順でゴールした。
圧倒的強さでギリシャのVasileiosPolymerosが決勝に進出していた。他の選手に何が出来るのだろうか?19歳のZacPurchase(イギリス)はスタートで積極的に攻め、かっ飛んでいるギリシャ人の後ろに付いて行った。スイスのTimEichmanも準決勝をまぐれで勝ち上がってわけではないことを証明する強さをみせた。しかし中盤ではPolymerosの強さが確実なものとなった。昨年までPolymerosはアテネ五輪でギリシャボート界初の五輪メダリスト(LM2×3位)だったのだが、本日、ギリシャのボートの神様に祭り上げられることになる・・・。
Polymerosが2位以下を引き離している後方では、レート41・・・43・・・45と強烈なスプリントを開始したフランスのFabriceMoreuがEichmanを抜き去り、Purchaseを追いかけていた。 結果はギリシャが金、イギリスが銀、フランスが銅となった。
2艇レースであったため既に行われたレーン決定戦では、イタリアが日本に圧勝していた。
決勝でも同じような展開でレート36で漕ぎぬけたイタリアが勝利した。
この試合「誰が勝つか?」は愚問であり、むしろ「どれだけの差をつけて勝つか?」が妥当な問題だった。ベラルーシのEkaterinaKarstenにとって、最大のライバルが二人とも不在の今シーズンは勝負になる試合はなかった(ブルガリアのNeycovaはダブルに転向し、ドイツのStomporowskiは双子の赤ちゃんを妊娠中)。
リードを確保した後の彼女の漕ぎは、教科書どおりの漕ぎであった。
Karstenがレート28に落とした後、2位以下ではチェコのMirkaKnapkovaとシングル初参戦のアメリカ人MichelleGueretteが激しく戦っており、最終的にKnapkovaが銀メダルを獲得し、Knapkovaがこの種目でアメリカ初の銅メダルを獲得した。
誰が勝つか全くわからない組み合わせだった。準決勝では6人全ての選手がメダルを獲得できるような素晴らしい漕ぎをしていた。ここまでくると「誰が1番、この地での逆風・暑さ・湿気の対策を行ってきたか?」という問題になってくる。
スタートではニュージーランドのMaheDrysdaleがチェコのOndrejSynekを引き連れて1位に飛び出した。Drysdaleは今シーズン初め、練習中に水上スキーと事故を起こしてしまい、大怪我をしていた。
Drysdaleが力を緩めなかったので、スタートで出遅れた五輪チャンピオン、ノルウェーのOlafTufteはスタートの遅れをなんとか、取り戻す必要があった。しばらくするとDrysdaleは疲れ始めたのかレート30〜31で漕ぐようになった(Synekは34)。そこで遂に目覚めたTufteがレート41でスパートをかけSynekに追いついた。Drysdaleがゴールした後、Tufteが2位、ラスト50mで力尽きたSynekが3位となった。
元世界チャンピオンのMarcelHackerの艇には不運にも故障があったようだ。
スポーツの世界でニュージーランドとオーストラリアは強いライバル関係にある。今シーズン、この種目ではニュージーランドが出走したワールドカップすべてで勝利している。
スタートではオーストラリアが飛び出した。しかしニュージーランドはさほど気にする様子もなく、1000m地点ではレート34でトップに立った。レート31まで落ちながらも辛うじてアメリカの頭を抑えていたオーストラリアだったが、後方からロシアが現れた。
こうした2位以下の攻防はトップには関係なく、ニュージーランドのJuliette Haighと Nicky Coles は世界選手権初優勝を手にした。オーストラリアのSarahとNatalie は2位になってしまったが、明日の8+決勝にもう一度チャンスを持っている。
ここまでの2試合はニュージーランドが制している。この試合でもニュージーランドがスタートからレート42で飛び出し、リードを奪った。整調のGeorge Bridgewater(19歳203㎝)は世界インドアローイング大会で5'47"の記録を出し2位になっている。
スタートで燃え尽きてしまったギリシャを残し、スタートで出遅れた南アフリカが追い上げてきた。しかしレート34の南アフリカに対して、ニュージーランドはレート37で漕ぎ続けていた。驚くことに五輪銀メダルのクロアチアは4位に位置していた。
ラストスプリントでニュージーランドは他のクルーを引き離し、1位でゴールした。2位の南アフリカのRamon Di Clemente,とDonovan Cechは2001年から2005年まですべの世界選手権でメダルを獲得している。そして3位はイタリア。
この試合で勝つためにはとにかく強く漕ぐしかない。ニュージーランドは今年のルツェルンでブルガリアの新旧コンビ( Miglena MarakovaとRumyana Neykova)に僅差で敗れていた。ニュージーランドのGeorgina Evers-Swindellと Caroline Evers-Swindellは生まれた日もボート経験もほぼ同じ双子の姉妹である。
Carolineは10年前に初めて世界の舞台に姿をあらわし、以後現在までずっとボート漕ぎ続けている。Georginaとは1996年からダブルを漕いでいる。
今日は、前世界チャンピオンとしてスタートで飛び出し、600mでブルガリアに大差をつけた。ブルガリアは挽回できるのだろうか?
はるか前方でニュージーランドとブルガリアがトップ争いをしている中、3位争いはオーストラリア・ドイツ・イギリスの三つ巴だった。
ゴールした瞬間Evers-Swindellは3回目の世界チャンピオンに輝いた。
スロベニアのプロ漕手Iztok CopとLuka Spikはあらゆる場所に姿をあらわす。先日は4×の準決勝に出場し、今日は2×決勝に出場している。
この試合、彼らはスタートからレースを支配した。1000m地点ではドイツが2位につけていたが、そのすぐ後ろにはイタリアが控えていた。ラスト500mでスパートを開始したイタリアはドイツを抜き去るどころか、スロベニアにも追いつき始めた。
スプリントを仕掛けたスロベニアはレート38で、レート37で追いかけるイタリアから逃げ切り1位でゴールした。疲れ果てた末、辛うじてブルガリアを抑えきったドイツが3位に入った。
今回最も嬉しそうだったのは、初めてメダルを獲得したイタリアのFederico Gattinoni(21)だった。
レース後ドイツのChristian Schreiberは暑さと疲労から、表彰式後、彼のメダルと花と共に、退場してしまった。この日の暑さで医者に運ばれたのはこれで二人目だ。今は二人とも良くなっているが。
イギリスは今年負けなしのまま、今まで来ている。整調のAndy Hodgeはいよいよ散髪が出来そうだ。Peter Reedは未だに世界選手権で負けなしだ。バウのTriggs Hodgeはアテネの金メダリストで、肺の負傷でアテネに出れなかったAlex Partridgeも北京への道を確実に一歩進んでいる。
スタートで飛び出したイギリスはレート34〜35で漕ぎ、同じレートでオランダが続いた。後方ではニュージーランドを、3人のアテネ銀メダリスト(4+)を載せたカナダが3位に上がっていた。
昨日のレーン決定戦では、イギリスが圧勝していた。今日はポルトガルがスタートで飛び出した。しかし、1000mでイギリスがポルトガルを抜き去り、ポルトガルはぴったり揃った漕ぎをしているオランダと戦うことになった。結果はイギリスが金・ポルトガルが僅差で銀・オランダが銅となった。
アメリカのスピードと技術は素晴らしいものだった。このダブルは過去に59kmにもおよぶ海岸レースなどにも出場した経験をもつ。Angela Madsenについては2006年の大西洋大会出場のためにトレーニングを続けている。Scott Brownは参加しないが。
優勝はアメリカ、2位がイタリア、3位がフランス。
昨日のレースではオーストラリアのDominic Monypennyが楽に勝っている。昨日と同じように彼はスクウェアブレードでレート51〜52で漕いでいた。しかしイタリアのMarco Re Calegariが彼の技術に気づき、今日は1000mの間Monypennyを追い続けた。
オーストラリアが金で、イタリアが銀、アメリカが銅。