「13番!!」・・・え?13番てなに?

経験と思い込みで語る艇管理講座 第12話

工具

嶋田宏之

熱かった世界選手権も終わりいよいよ秋ですね。少し寂しいです。

さて、冒頭の一言で今回のテーマが解った人はかなりの「通」ですね。つい先日まで放送していた青春ボートドラマのワンシーンからお題が閃きました。試合直前の主人公が艇のリギング中に工具箱をひっくり返して「13番(が無い)!!」と困り果てるシーンがありました。

艇には様々なサイズのナットが使われており、これらのナットに合ったレンチを用いて締め付けます。レンチにはそのサイズを表す番号が記されており、省略して“○○番(のサイズのレンチ)"と呼んでいます。※13番=13mmのナットに対応。

艇を作っているメーカーは色々ありますが、使用しているナットの大きさは基本的に統一されています(中国艇や、インチ単位を用いるアメリカ艇は少し異なっている様です)。スカル種目のローロック回りは13番で、スイープ種目は17番を使用してリギングします(台座はどちらも19番と21番)。ストレッチャー回りやバックステイ回りは10番を使います。基本は以上です。つまり、艇のリギングをするためには10番・13番(スイープの場合は17番)・19番・21番のレンチが必要不可欠であり、逆に、これ以外のレンチはあっても仕方が無いのです。

不必要な工具がごちゃごちゃに詰め込まれていて、必要な時に必要なものが取り出せず、物が無くなりやすい工具箱をよく見ます。ドラマでは、そんな日常を上手く再現していたのでしょうか。

この後、喧嘩していた仲間が「こんなこともあろうかと自分の工具を買っていた。自分のを使って欲しい。」と救いの手を差し出します。高価なもので、部屋のインテリアにもならず、場所もとる工具を自分で買うということは、ボートを愛している人にしか出来ないことだと思います。ある意味マニアの域です・・・(もちろん良い意味で)。でも、自分の工具があると本当に便利ですよ。自分の使いやすいように整理できますから。そういう私は未だにMy工具を購入していませんが・・・

みなさん工具は大切にしましょう!使った工具は元の場所へ戻しましょう!

(追記)

毎回、必ず次の投稿が行えるよう、自分を追い込むために、次回予告を書いていましたが、前々々回あたりからネタがなくなり始めました。途中から、明らかに艇管理とは違う話になっちゃいましたね(^^;。

「キリが良いから第12話まで続けたら?」と応援され、なんとか1年間続けることが出来たので、とりあえず「艇管理講座」は今回で終わりにします。どの程度皆さんのお役に立てたか解りませんが、拙い文章に長い間付き合ってもらってありがとうございました。

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