最先端セミナーを受講して

内田太二

3月4日に瀬田ローで最先端セミナーが行われました。セミナーの内容は、杉藤洋志コーチの最先端のテクニックとトレーニングプログラム、桑野造船株式会社の香川友歩による最先端のボートの作り方についてでした。

今回の投稿では、杉藤さんの講義について書きたいと思います。  今回の最先端のテクニックとトレーニングプログラムでは、今ジャパンのヘッドコーチであるイタリア出身のジャンニ氏が、ジャパンの合宿でどのような考えに基づいてどのような指導を行っているのかということを知ることが出来ました。

  

 

その中で特に印象的だったのが、今まで聞いた事がないようなテクニックで「フィニッシュでブレードを抜いた瞬間に膝を曲げ始める」というものです。僕は、今までこのテクニックについて聞いた事がなく、聞いた瞬間困惑しました。なぜなら、今までリカバリーでは、腕、上体、足の順番でエントリーに向かってエントリーポジションを作っていくと習っていたからです。だからリカバリーでいきなり足を曲げるというテクニックには、非常に違和感がありました。このテクニックの必要性を杉藤さんが説明されていくうちに、なんとなく理屈は理解する事ができたのですが、やはり納得がいきませんでした。

 そこで、講義終了後に杉藤さんと瀬田ローのコーチである剛健さんにこのテクニックが本当に有効なのかという事を尋ねてみました。その時返って来た答えは、このテクニックを真似したからといって、ボートが速くなるわけではないという事。デンマークなどは、このテクニックを取り入れているそうなのですが、彼らの場合はボートを速く進めるために行き着いた一つのテクニックとしてフィニッシュ後に足を曲げている。だから、ただこのテクニックを真似するだけでは、速くならないと言うことだそうです。ボートを速く進めるためには、「強く押す、レンジを長く取る、レートを高くする」というこの3つの事をやらなくてはならず、この事を把握せずにただフィニッシュ後に膝を曲げたとしても、それは何の役にも立たないとのことでした。納得です。言い換えるならば、友達が成功したダイエット方法を、ただ真似をしたとしても成功しないという事でしょうか。

 ボートには魔法のようなテクニックはない。結局ボートを速くするためには、強く押すためにどうすればよいのか、レンジを長くするためにどうすればよいのか、レートを出来るだけ高くして漕ぐためにどうすればよいのかを常に考えて、地道にトレーニングしていくのが一番の近道のようです。現実は、そんなにあまくないということですね…。

 で、今の僕に欠けているものは何かと考えてみると……、強く押せて……ないなぁ…。レンジは長く……ないなぁ…。レース中のレートは……人並みやなぁ…。

 

僕は、まだまだ速くなります!!

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