全日本選手権・タマ観察記録

黄瀬春奈 (haru@rowing.jp)

5/29〜6/1まで戸田で開催された全日本選手権に出場してきました。今年は、6歳も年下のスーパー高校生タマ と2×で出場です。「2連覇めざして」と言われたりもしましたが、当の本人は去年優勝したということを忘れ、なんのプレッシャーも感じずただただチャレンジャーとして行って来ました。結果は日本代表のソニー美濃加茂(福田&狩野ダブル)に敗れ2位でした。でも、今回はやっとまともにテレビに映れたしよかったー。

タマと脚

タマの水中はおそらく、あの脚から生み出されるものと思われます。ジーパン買いに行ってもウエストじゃなく太腿であわせないといけないというタマ。(私もやけど…。)嶋田先輩に「ルーズって脚を細く見せるためにはくんじゃないの?」なんて乙女心を理解していない無神経な発言をされてしまうタマ。水泳の時にプルのみでは普通の順位やのにキックのみでは1位になってしまうタマ。こんなタマの脚はパワーにあふれています。

タマとエントリー

タマのエントリーは滋賀県の少年の中では最速だったようですが、瀬田ロー内では???でした。しかし、朝日レガッタ後の特訓で「バックスプラッシュローなんか無理ぃ☆」と言っていたタマも私に水をかけまくれるほど上達しました。これにより、脚のパワーを無駄なく推進力につなげられるようになりました。でも、全日本準決勝のラストでもそうでしたが、疲れてきて意識できなくなると荒荒しいエントリーに戻ってしまうのでまだまだちゃんと意識することが大切です。

タマと睡眠

寝る子は育つ。タマは本当に良く寝ます。どこでも寝ます。行きの車の中では栗東インターを過ぎたあたりでもう眠りに入っていました。はやすぎ。もちろん国艇でのヒマな時間はほとんど寝てました。私やようちゃんは国艇の枕やマットレスに不快感を感じて寝れない時もあったけど、タマは全く気にならなかったようです。すごすぎ。タマの名誉のために言っておくとちょっとばかし、英語と古典の勉強はできたみたいですが。

タマと緊張

今回初めて知ったのですが、タマはレース前に相当緊張するようです。レース前と後では口数がまったく違います。レース前はおとなしいタマ。レース後はしゃべりまくり。ですが、緊張から動きが固くなるということはなく、いつもスタートからタマパワー爆発。緊張に強い、本番に強いそんなタマです。

タマと2000

タマの初2000mレースとなった今回の全日本。予選はかなりしんどかったようで、レース中のコールに「はいぃぃぃぃ」と悲鳴のような声で返事が返ってきました。ゴール後も「気持ち悪い…」と言うほど苦しそうでした。でも、3本目となる決勝では大分慣れてきたようで、全日本Jrに向けて良いステップになったのではないかと思います。

左:玉川 右:黄瀬

番外編:ハルとドーピング

決勝終了後、私は見事にドーピング検査の対象者に選ばれました。全種目の1位〜3位入賞者から選ばれるのですが、その人数はたった5人。そのうち女子は2人だけという確率。女子のもう1人は1×優勝の岩本さんだったらしく「慣れた感じだったよ」というスタッフの方の話を聞き、私も負けじと平静を装ってみたものの、初めてのことだけに実は緊張していました。

選ばれるとその時点からスタッフと離れることはできません。表彰式のあと、艇に乗って帰るのは他の人(剛健さん)に任せてそのまま医務室に向かいました。まずは医務室でサインなどをして、トイレに行きたくなるまで水を飲ませてもらえます。隣りでトイレに行きたくなるのを待っていた方は「走りに行けばすぐなんですけどねー」と言うと、スタッフに「僕も走らなあかんから勘弁して」と言われてはりました。 次に一橋大学のトイレをお借りして、スタッフ(女性)に見られながらの尿採取。それを2つのビンに分けるのですがビンを選ぶところから、ビンの入っていた箱に再び戻して封をするところまですべて自分でやります。スタッフは指示してくれますが見てるだけです。検査結果が出るまでには3週間ほどかかるらしく、引っかかった場合にだけ連絡がくるそうです。どうぞ引っかかってませんように。

瀬田ローでは高谷さんのドーピング講習会があったおかげで、試合前も注意していたし必要以上に緊張することもありませんでしたが、国内ではまだまだドーピング検査に対する意識が低そうなのでもっと他のところでも講習会が広まればいいですね。

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