The Coach's CornerVol.1

毎日練習組について

坂本剛健

毎日練習組のコーチをしている坂本剛健です.会報担当者より「コーチとして何か書け!」と命令が下りましたので僕が練習を見ている「毎日練習組」について書きます.ついでなので勝手にコラムの名前を付けました(右上).『The Coach』です.例えば,The RegattaといえばHenley Royal Regattaを思い浮かべるようなもんです(何が?).

えー,「毎日練習組」とは,競技力を高め,勝つことを目的としている選手の集まりです.呼び名がダサいと思われるかもしれませんが,数年前クラブ内のチーム分けを考えたときに他にいいのが思いつきませんでした.「選手チーム」「アスリートレベル」などの案もあったのですが,「オヤジクルーでもスカル教室でも(体はともかく心は)アスリートだ!」という至極もっともな意見もあり,最終的には「他と違うのは毎日練習してることやし毎日練習組でええんちゃう?ほんでオヤジクルーを(女性が加わったこともあり)週末練習組と呼ぶことにしよう」ということに落ち着いたわけです.

現在,毎日練習組には社会人から高校生まで,男女合わせて約11名いると思います(誰か忘れてたらゴメン).レベルもバラバラ,目標もさまざま.日本代表やオリンピック金メダリストを目指してガンガン漕ぐ選手もいれば,ただローカルレースに出ることを目的にする選手もいる.今の時期には9月の国体に向けてハードにトレーニングを積む選手がいる一方で,すでに来年に向けて冬季(?)トレーニングに入っている選手もいる・・・.なかなか大変です.

それで練習はいつしているのか?というと基本は早朝です.5時半には集まり,45分ごろけりだし,7時過ぎにあがる.あとはみなそれぞれ学校や仕事へ向かう,というパターンです.選手によっては更に夕方もやるのもいます.選手が練習していると言うことは当然コーチである僕も見に行っていると言うことで,今の時期だと早朝は週6日,夕方は週2〜3日くらい艇庫に出没しています.もっと行きたいんですが一応働いているのでこれぐらいが限度です.1円にもならない(と言うかむしろ持ち出しがある)ことをなぜできるかというと,それはやはり選手がいるからです.試合で勝つためにがんばって練習する姿を見ていると「何とかお手伝いしてあげたい」という気持ちになります.朝5時にパッチリ目が覚めます(パッチリは言い過ぎ).お金の問題じゃないです.でも瀬田ロー以外でコーチするときは有償じゃないとしないぞと心に決めています.やっぱりお金は大事です.どっちやねん.

「毎日練習組は勝つことを目的としている」と先に書きましたが,コーチとしては,それが僕からの一方的な押し付けにならないように気をつけているつもりです.練習メニューは選手と相談して決めます.例えば「今日は2000mを3セットやろか」「えー2000mもーしんどいー」「嫌か.ほな200mの3セットでいいよ.僕がレース出るんちゃうし」「2000mやる(;_;)」と言う感じです.こんなに情熱的なコーチングをしているのになぜか選手からは冷たいとよく言われます.

現在の毎日練習組の問題点は,一つはクラブの規模に比べて選手数が少ないことですかね.選手が増えるとコーチングが大変になったり艇が足らなくなったりといろいろ問題も出るでしょうが,クラブの競技レベルを維持し続けるためにはコンスタントに20名は欲しい.近くの中学,高校の知り合いに声をかけたり,大学生を引っ張ってきたり(?)と努力する必要があります.クラブ内にも「毎日やればいいのになぁ」と思う人もいます.そう,あなたです.やりたい人は坂本に声をかけてください.もう一つの問題は何といっても日本代表がいないこと.Jrレベルでは日本代表を出せるようになりましたが,Srレベルではまだです.もっともっとレベルの高いコーチングができるよう,創意工夫する必要があります.『The Coach』と呼ばれるようにがんばります.それでは今回はこの辺で.

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