コックスセミナー報告

今城律雄

去る3/6(日)にコックスセミナーを行ないました。びわこ毎日マラソンや学連合宿が重なり、時間変更など参加いただいた方々には大変ご迷惑をおかけしました。講師にはコックスの技術を話したらこの方以上の方はいないだろうと言われる太田川BCの小沢哲史氏と、学生時代苦汁をなめさせられた浜寺RCの楠田浩雅氏を迎え、高校、大学、クラブチームから40人の方々にご参加いただき、無事終了することができました。

小沢氏からは操舵や安全を中心に講義していただきました。初心者コックスの方々にとっては少しハイレベルな内容にだったかもしれませんが、いつものように(?)、セミナーに際し、素晴らしい資料を準備いただきました。楠田氏からは高校、大学、社会人20年にわたるコックス、コーチ経験を踏まえ、練習の進め方、レースにおける役割、コールといった実践的な内容を講義していただきました。私自身も参考にしたいと思うことが多々ありました。

それから今回の試みとして、パネルディスカッションを行ないました。具体的にはあらかじめ参加希望者から質問事項、ディスカッションしていただきたい内容を募集し、講義では触れられなかった内容に絞って、講師の2名に加え、ベテランコックスでもあり、諏訪清陵高校コーチの平林幸哉氏と、漕手・コーチの立場から古川氏、坂本氏にも加わっていただき、ディスカッションしました。古川氏、坂本氏の歯に衣着せぬコメントに対し、司会者としてフォローが大変でしたが、立場が違うことによるコックスの業務に対する視点の違いというのが浮き彫りになり、それはそれでよかったかもしれません。

以下、話は変わりますが、今回のこのセミナーに至った経緯について、記載させていただきます。

そもそも昨年度末の理事会において三宅理事から「クラブ内でコックス養成をしたらどうだろうか?」と提案があったのがきっかけでした。とりあえず会員向けにコックス講習会をやろうということになりました。時々大学ボート部のコックスの方に乗っていただくことがありますが、コックスの技量(特に操舵)が低下しているのではないかと常々感じていました。また、これまでボートのトレーニングや漕法に関する本や資料、セミナーはありましたが、ことコックスや操舵に関するそれらはほとんどありません。おそらく高校や大学では先輩コックスが後輩コックスに技術を直伝、あるいは同じクルーの先輩漕手、顧問、コーチから教えてもらうのであろうが、おそらく系統立ててそれらを説明されることはないのではないのではないか(私の所属した高校、大学のボート部でもそうだった)。さらに最近はスカル種目が多くなり、コックスが軽視されているように感じていました。それならば、クラブ内だけではなく、外部に対しセミナーを行なったら、案外と参加していただけるのではないだろうかと考えました。 そこで、翌月の理事会でセミナー事業として「コックスセミナー」を提案しましたが、古川氏からは「参加は10人がいいところだろう」とバッサリ。実際に参加が見込めるかどうか調査した上で、再度提案することになりました。とりあえず大学ボート部のコックスの方々に調査したところ、案外と感触のよい返事が返ってきたので、翌月に調査の結果を踏まえ、再提案し、実施することになりました。

実際にセミナーの準備を始めると、講師の人選やテーマの切り口、どうすれば参加者を増やすことができるのか、また効率の良い広報の仕方はないだろうかなど、案外、いろいろなことを考えなくてはならないことがわかりました。参加人数が集まらないと採算割れになるかもしれないという危機感のもと、特に広報には気を配りました。具体的にはHPへの掲載、ダイレクトメールの送付、経費削減のためにアドレスがわかる団体にはメールもしくは直接訪問による案内、会員の母校への宣伝のお願い、意外と興味がある医科系大学へのアナウンスを行ない、どうにか参加人数を確保することができました。

最後に大変お忙しい中、快く講師を引き受けていただいた小沢、楠田両氏および平林氏に感謝するとともに、当日準備、片づけをお手伝いいただいた会員の方々、どうもありがとうございました。

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