アダプティブローイング

田村莉絵

アダプティブローイング(障害者ボート)のお話です…がその前に。皆さんは「障害者スポーツ」と聞いて何を想像されますか?車いすバスケットボール?シッティングバレー?それとも水泳?あまり馴染みがない方もおられると思いますがテレビや新聞で一度は見たことがありませんか?

障害者スポーツは、医学的リハビリテーションの一環として導入され、発展してきました。今日では、レクリエーション種目から競技スポーツにいたるまで、様々な活動が行われています。

昨年のアテネパラリンピックでは、約135の国や地域から、約4000人の選手の参加がありました。

アーチェリーや陸上競技など19競技が実施され、そのうちの16競技に日本選手が参加しています。

今年4月、国際パラリンピック委員会(IPC)は、2008年北京パラリンピックにおいて、新競技としてボートを実施することを発表しました。

世界選手権では2002年のセビリア大会から、アダプティブ種目が実施されています。今年、長良川で開催される世界選手権においても、アダプティブ種目が行われます。地元開催ということもあり、いくつかのクルーは出場が見込まれているようです。しかし、日本で障害者ボートをおこなっているのは、今のところごく一部の地域だけです。

そこで、瀬田川でも障害者ボートができたらいいなというのが私の思いです。もちろん今すぐにという訳にはいきません。用具の問題もありますが、何よりもボートに興味を示してくれる障害者の方がいなければ成り立ちません。時間がかかるかもしれませんが、何らかの形で取り組んでいきたいと思っています。

障害者スポーツといっても、決して特殊なものではなく一般的なものと本質は同じです。ただ、障害への配慮、用具・ルールに工夫が必要となるだけです。(決して安全を軽視している訳ではありません…)

スポーツを競技としてだけでとらえるのではなく(競技スポーツを否定している訳ではありません…) 身体を動かすことを「楽しむ」ことからはじめてもらえたらいいなと思いませんか?

最後に、2005年世界選手権で行われる3種目について紹介しておきます。

4+ LTA(舵手付フォア)
視覚障害、四肢切断、神経学的障害、脳性まひ、知的障害
2× TA(固定席ダブルスカル)
四肢切断、脳性まひ、神経学的障害
1× A (固定席フロート付きシングルスカル)
脳性まひ、神経学的障害

ただし、それぞれの種目において、細かく障害の程度が規定されているので、どの種目にも参加できるというわけではありません。詳しくは、FISAのHPにあります「障害者ローイング競漕規則」を参照して下さい。ちなみにアダプティブ種目は、9月2日に予選、9月3日に決勝が行われる予定です。

私は、大学で障害者スポーツを専攻していることもあり、今回このような投稿をさせていただきました。また、古川さんに紹介していただき、今回の世界選手権では、アダプティブサポートセンターでボランティアとして活動をさせていただくことになりました。また何かあれば会報で報告をしたいと思っています。

投稿文を書くにあたっては、古川さんにお借りした資料を参考にさせていただきました。

ありがとうございました。

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