総合型地域スポーツクラブ設立に向けて

代表理事 今城律雄

会員の皆様にご協力いただき、今年のHead Of The Setaも無事終了することができました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。今年は2日間で延べ約500名の方々に参加いただきました。諸般の事情により昨年よりも300名の減少になってしまいましたが、昨年度から開設したカヌー部門の参加者増加や人力自転車のオープンエントリー、FISAニュースへの掲載等々、来年度に向けてHead Of The Setaのさらなる可能性を感じさせる年でもあったと思います。また年々ご協力いただく会員の数も増えていることも有難い事ですが、当日役員は約50名程度必要であることから、170人余りの会員の2/3の方々にご協力いただければ、全員が1日は役員、1日は選手として出場することも可能です。そのような大会運営ができるよう、ご協力お願いいたします。

さて、今年度から本格的に取り組み、来年度2月定期総会で設立予定の「総合型地域スポーツクラブ」について改めて説明いたします。

総合型地域スポーツクラブって何?

これまでも会報やMLで何回か説明しておりますが、

といった形態のスポーツクラブのことです。日本では文部科学省が育成推進し(現在は日本体育協会)、各市町村に少なくとも一つ以上の総合型地域スポーツクラブを設置することを目標に近年全国的に取り組まれています。ちなみに大津市では大津市体育協会が既存の各スポーツ団体を取りまとめる形で現在設立準備中であり、瀬田漕艇倶楽部は2番目になります。またボート関係でも富山県の神通スポーツクラブに次いで2番目です。既設の総合型地域スポーツクラブの中にはさらなる発展形としてNPO法人化を目指している団体もあります。逆にNPO法人→総合型地域スポーツクラブに進む我々は珍しい例かもしれません。NPO法人化にあたっては定款を定め、行政から認証を受け、継続的に事業報告する義務があります。一方、総合型地域スポーツクラブというのはそのような認証などはなく、また上記および下記図に示すような要件を必ずしも全て満たす必要はありません。

総合型地域スポーツクラブの条件

(日本体育協会HPから引用)

瀬田漕艇倶楽部が目指す総合型地域スポーツクラブとは?

瀬田漕艇倶楽部はNPO法人化する前から上記の「多世代」「スポーツ指導」「一貫指導」を実践しており、また「拠点施設」は日本の多くのスポーツクラブが学校の施設を借りて活動しているのに対し、さらに発展した自前のクラブハウスをほぼクラブ発足当時から有しています。クラブ運営も行政等に頼るのではなく、受益者(会員)負担で自主運営を貫いております。コミュニケーションという点では地域を跳び越して、練習水域の琵琶湖、瀬田川、さらに近畿府県の会員も有しており、有効の輪を広げています。

結局瀬田漕艇倶楽部に総合型地域スポーツクラブとして新たに取り組んでいかねばならない課題は

本年度の取組み状況について

今年5月から日本体育協会から滋賀県体育協会を通じて総合型地域スポーツクラブ化に対する委託金を受け、諸事業に取り組んできました。総合型地域スポーツクラブ準備委員および運営委員の方々を中心に、具体的には5月と10月の2回にわたるボートフェスタ、6月のカヌー体験教室、8月のびわこペーロン大会出場およびそれに向けた複数の練習会の開催、初心者ボート体験教室、琵琶湖スプリントレガッタの開催(但しこれはSSFからの助成事業)を実施してきました。全体としては多くの会員がカヌーやドラゴンボートにも目を向け、複数種目の水上スポーツを楽しめる基盤ができつつあります。一方、第1回目のボートフェスタは山崎さんのご協力により、浜口自治会の方々に参加いただくことができましたが、それ以外の事業で艇庫周辺の方々の参加を増やしていくことは容易ではありませんでした。今後は総合型地域スポーツクラブとしてのリーフレットの作成、および来年2月の定期総会にて総合型地域スポーツクラブ設立を完了する予定です。

今後の課題

自治会を始めとする艇庫周辺の方々に我々の活動をもっと知っていただくための方策を考えていく必要があります。11月度理事会には浜口自治会および瀬田北学区の体育振興会メンバーにお越しいただき、我々の総合型地域スポーツクラブ設立へ向けた取組みを紹介するとともに、総合型地域スポーツクラブに関して意見交換を行いました。今後、もっと艇庫周辺の方々に水上スポーツの楽しさを継続的に伝えていく必要があるとともに、こちらからも地域のイベント(琵琶湖一斉清掃やお祭り、運動会等)に参加することによって、地域の一員として認知していただくことによって、我々の取組みに関心を抱いていただけるのではないかと思っております。そして瀬田漕艇倶楽部が地域に必要不可欠な存在になることができれば、自ら解決できないような難題に直面したときに、力強い味方になっていただけるかもしれません。

水上スポーツは活動場所に制限があるため、通常は容易に取り組むことができないスポーツです。しかし、琵琶湖・瀬田川といった恵まれた水域を生かし、ジョギングを楽しむ感覚で仕事前や終業後に、気楽にクラブハウスに立ち寄り、水上スポーツを日常的に楽しむことができるような総合型地域スポーツクラブになること。そしてそんなクラブで日常活動するメンバーの中から、世界チャンピオンが出てくるような高いレベルの総合型地域スポーツクラブになることを目標としていきたいと考えています。

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