全日本軽量級選手権の日記

青地宏尚

こんにちは。 僕は今、某D大学ボート部から電撃離脱(ただやめただけ)をして瀬田漕艇クラブで漕がせてもらっている。 そして僕がやめてきた関係で、シングルスカルで全日本軽量級に出場しようと決めていた内田太二さんと急遽ダブルスカルで参戦することが決まった。5月中旬のことだ。 そして、本格的にダブルスカルで練習を始めたのは全日本選手権の後。 最初はなかなかうまくいっていて、良いスピードも出ていたので安心していたけれど、その後いっこうにスピードが上がらないどころか落ちていた…。

やばい…

分かっているけれど、どうすることもできなかった。古川さんや剛健さんに見てもらっても評価はイマイチ…。
剛健さんには、「順位決定には残れるよ」と悲しくなる言葉をかけられる始末…。自分で自分の無力さを知った…。
でも、剛健さんのアドバイスでシートチェンジをするとみるみる艇速は上がっていき良い感じになった。ボートってほんとによく分からんと思った…。
そして、2回内田さんに艇の上でほえられたがなんとか全メニューを消化して戸田に遠征に出発した。

7月5日(水)

朝から雨。朝6時頃瀬田を出発。 途中、多賀、浜名湖、海老名で休憩をとって戸田ボートコースへ。
海老名で食べた焼肉定食はあまりおいしくなかったが、自分で頼んだメニューなのでみんなに分からないよう無理においしいかのようにふるまって完食した。
結構首都高が混んでいたみたいで3時頃に着いた。そこから積み下ろしをしてリギング。
雨が冷たかったので、長袖を持ってくればよかったと後悔した…。その後、雨の中乗艇した。寒さは無くなったが艇がいっぱいいてストレスがたまった…。
でも、内田さんいわく今日は艇の数が少ないというからびっくりだ。なんか窮屈な感じがした。
夜、国立艇庫がとてもうるさかったが僕はすぐに寝ることができてよかった。
疲れていたのかな…?

7月6日(木)

今日は練習。コースにもだんだん慣れてきた。
しかし、練習中他のM2×が気になる。みんな速そうに見えて仕方なかった…。
ビビリの僕はチームの名前に圧倒されていた…。社会人とか…。
明日のレースがとても不安になっていた。
しかし、戸田のコースで「男子ダブルは瀬田ローが速いらしい、優勝候補らしい」と耳にしてからやたらと自信が出た。そして、調子に乗り始めた。
代表者会議のときもなぜか笑えてきて、笑っている自分が気持ち悪いと思った。絶対隣に座っていた違う団体の人もそう思っていたと思う。夜はテンションがおかしかった…(苦笑)

7月7日(金) 七夕

今日は予選。いよいよといった感じだった。
レースは昼ごろだったので黄瀬さんのレースを見にいった。前半飛び出してその後リードを広げるパーフェクトな勝ち方がすごくかっこよかった!!ただ、レースを見ていて思ったのが戸田の審判艇だ。波よけがない…。遅れたクルーに容赦なく波をかぶせていく。現場は殺伐としており、審判の人は1日中怒っている感じだった。これが全日本級の大会なんかなぁって思った。
予選のレースは日本体育大学と一騎打ち。スタートで少し出られたまま逃げられた。1500からスパートをかけても向こうも上げるので逆転できない。そのままコンマ5秒差で負けた。一番したくないレースをしてしまった。そして、タイムを見にいくと3位に10秒以上あけた2番タイム…。掲示板の前でヒステリックをおこして大声を出しそうになってしまったが、僕の自制心がそれをおさえた。でも、タイムを見ていてなんだか少し強気になれた気がした。

7月8日(土)

今日は敗者復活。
2艇上がりであたりもよかったので大きい態度になっていた。人間、弱い者には強い態度で接する本能というやつを身をもって感じた…。心の闇というやつだ…。意味分からないか…。 レースの方はスタートこそ出られたが、すぐにさしかえして楽に勝つことができた。
流して漕いだのにトップタイム!!さらに強気になった。だんだんうっとしいと言われるようになってしまった…。
夜はイメージトレーニング。決勝はスタートから飛び出している自分がいた。

7月9日(日)

いよいよ最終日。今日は準決勝と決勝の2レース。
朝から古川さんが来てくれていたので少しほっとした。ゆきさんも来てくれていたし。
準決勝の前、完全に意識がとんでいた僕を古川さんが激励してくれ平常心に戻してもらった。
準決勝。最初、明治安田生命にかなりリードされたが、平常心になっている僕にはそんな脅しは通
用しない。 1400付近でしっかりと逆転。そのままゴール。Final Aに進出が決まった。
2005年の全国高校選抜以来で素直に嬉しかった。
そして、いよいよ決勝レース。シニアデビュー戦で優勝してやろうと思った。
そして、スタートは飛び出した!!いける!!みんなが思った。僕もそう思った。
でも、1250付近から僕の意識がなくなっていった。すると、1500から全然スピードが伸びず最後のラストスパートであっという間に差をつめられ逆転を許してしまった…。あと、50mだったのに…
悔しかった…。でも、全力勝負ができたから気持ちよかった。これで、僕の2006年の軽量級は終わった。銀メダル…。
今度は金を取りに行きたいと思った。そうでないと一生この差で負けた後悔を背負って僕は生きていかなくてはならないからだ…。そのためにも、しっかり練習しようと思った。

最後に…全ての応援してくれた人へ
がっかりさせてすみませんでした。今度は勝ちに行きたいと思うので応援これからもよろしくお願いします。
来シーズンはディープインパクトみたいに、全日本、全日本軽量級、全日本新人の3冠を狙っていきたいと思います。
あと、一緒に遠征した黄瀬さん、トモさん、井原さん、古川さん、そして内田さん。
本当にいろいろな発見とかあって楽しかったです。本当にお世話になりました!!

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