高校生

嶋田宏之

嶋田です。いよいよ寒くなってきましたね。練習がつらい季節です。そんな中、今シーズンは高校生が熱心に練習しています。ということで、今回は高校生トレーニング事情について紹介することにします。

チーム分け

今年の夏ごろから瀬田ローには多くの高校生が入会し、以前から在籍していた高校生を中心にチームとしての活動が始まりました。当初は野村君や中(さ)さん達が面倒を見ていてくれたのですが、そろそろ指導者としての活動もしてみたいと思い始めた自分が高校生と一緒に練習することにしました。 最初に実行したのがチーム分けです。その内容は「試合で勝ちたいと思い、毎日の練習に耐える意志があるかないか。」です。『勝ちたい』と言う気持ちで練習し続ける意志のある人と、マイペースで頑張りたいという人に分けました。マイペースで練習するのも良いと思いますし、双方向の移動はいつでも歓迎しています。頑張っている仲間を見てやる気を出す人がいても、マイペースで練習したくなった人がいても大いに認めています。なお、後者のチームについては安全確認程度の指導はしていますが、練習の内容等については本人に任せています。

目標

毎日練習している高校生の目標は『勝つこと』です。人格形成や健康増進などの目標が別にあってもいいのですが、毎日練習組みの統一した目標『勝つこと』を確認したうえでチーム分けを行っていますので。どの試合に勝つかは、選手によって様々ですが、それぞれに確認してみたところ、国体選手として活躍できる程度に『勝つこと』を目指している人が多いようです。もう少し上を狙っても良いのでは?と思えることもありますが、まずは選手ありきの目標です。当然これからもどんどん目標が変ってくるでしょう。

練習内容

基本的に月曜日は休みで残りの6日間は毎日練習しています。平日は夕方5〜6時、休日は朝7〜8時に集合しています。冬期は一定の強度を長時間維持し続ける練習が中心です。明るいうちは乗艇中心のメニューにしたいのですが、この季節は陸上トレーニングが基本となってしまいます。陸上トレーニングについてはエルゴを使ったメニューが増えてくるのですが、できるだけ本人達がやる気を失わないよう、ランニング・サーキット等のメニューを交えています。エルゴの数は限られているのでシニアチームとの調整も必要となりますし。また、故障防止および筋力アップのため、ウエイトトレーニング等も補強メニューとして組み入れています。

練習時間については90分以内で終わることを目指しています。艇庫に入ってから艇庫を出るまでの時間も120分以内を目指しています。僕は高校生にとって勉強する時間や家族と過ごす時間が非常に大切だと考えます。ボート漬けにも勉強漬けにもなって欲しくないですし、家族との絆も大切にして欲しいのです。京都の高校生がいるので集合時間が遅くなりがちですが、平日は夜8時までには艇庫を出るようにさせたいです。どうしても練習の流れが悪く、上手くいかないこともありますが積極的に時間を調整したいと思います。塾や習い事に忙しい今時の高校生からするとそれほど問題ではないのかもしれませんが、この方針を変える気はありません。

現状

ここだけの話ですが、秋のレースが終わった時点で高校生の数は一気に減ると予想していました。良い意味でも悪い意味でも自由気質な瀬田漕艇クラブではそんな傾向が強いのです。さらに、冬期に入ってからはエルゴ中心のメニューになりますから。しかし、良い意味で彼等は期待を裏切ってくれました。ほとんどの高校生が秋のレース以後も練習に積極的に参加し続け、今に至っています。彼等には毎日の練習記録と日記を書くように指導しているのですが、記録から確実に力がつき始めていることが読み取れます。11月には滋賀県代表が誕生し、来年3月の選抜大会出場も予定されています。 ただ、国体選手として活躍できる程度に『勝つこと』を目指す場合、まだまだ気になる点があります。今のままでは『運がよければ勝てる』程度のレベルかと思います。何が気になっているのかは、これからじっくりと本人達に伝えていきますが、まだまだ強くなれます。

今後の予定

高校生にもう少し実力が備わってきて、シニアチームの練習のじゃまにならない程度になれば、積極的にシニアと一緒に練習させることにします。とりあえずは、日本のトップレベルで戦うことを目標としている瀬田漕艇クラブの先輩達の練習をじっくり観察して、多くのことを吸収して欲しいと思います。こんな恵まれた環境を活用しない手はありません。一緒にチームボートに乗ってもらえるようお願いしたり、シニアの後ろを追いかけさせたりも今後は予定しています。自然とシニアから多くのことを学べますし、シニアと常に接することで、同世代の高校生に動じることのない強い心が育つと信じています。

高校生のトレーニング事情を紹介しましたが、特に今回の投稿は高校生のご家族にも読んでいただきたいです。高校生の活動については、家族の理解があってはじめて成り立つものだと考えています。金銭面や休養面ではもちろんのこと、精神面からの支えも彼等には必要です。そのためには、彼らが何をしているのか?を知ってもらう必要があると思い、今回の投稿に至りました。家族同士の会話のきっかけになれば幸いです。 また、詳しい説明等が必要であれば、いつでも説明しますので声をおかけください。

(自己紹介)
嶋田 宏之 昭和53年生 滋賀県庁勤務
膳所高校 ボート部 選抜大会(フォア)・インターハイ(フォア)・国体(フォア8位)出場
京都大学 ボート部
瀬田漕艇クラブ 全日本選手権シングルスカル5位  全日本選手権ダブルスカル2位
  もう少し頻繁に彼等の練習を見られるよう仕事の方も頑張ります・・・。

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