瀬田漕艇倶楽部30周年記念企画琵琶湖周航報告

周航リーダー 柴田 茂和

9月22日(土)〜9月24日(月・祝)を利用して琵琶湖周航を行いました。最近の琵琶湖周航(以後周航)は8月に行う事が通常です。しかし参加者の都合やびわこ市民レガッタで実行委員としての仕事に追われ、また京大などの周航でのナックル貸し出しやクラブ選手権・琵琶湖レガッタ・かつぶりレガッタなど週末毎のイベントにも重なり9月の連休に行う事になりました。結果的には台風も来ず夏の日差しを残しながらも遠漕を行うには丁度良い季候となりました。

第1日目

佐々木さん率いるサックス生演奏の「琵琶湖周航の歌」を聴きながら出航しました。快適なペースで昼食の白髭神社に到着。そして出航。ここからが北湖の本領発揮です。15時頃から急に荒れ出してきました。白波も立ち始めましたが真正面の風でほとんど艇に浸水はありません。ナックルなので丈夫で折れる心配もなく、先行する1号艇は、大先輩の八木さんの指導の元漕艇を楽しんでおりました。しかし2号艇で大変なアクシデントが起こっておりました。オールのシャフトとハンドルの接着がはずれてきて漕げなくなっているとの事、近くの漁港に避難し、ビニールテープにて応急修理を行いましたが、伴走艇や陸上支援の必死の努力にもかかわらず、結局高島風車村北のキャンプ場に上陸・揚艇する事になりました。
1号艇は、この日予定より手前の今津の浜に上陸しました。京大医よりの紹介でマキノ町の「民宿のざき」が今日の宿泊所です(とっても親切なおじさんがやっておられます。是非機会がありましたらご利用下さい)。本日で帰られる方々と近江牛のすき焼きと新米の夕食にてささやかな宴会を行いました。
この日の参加者
漕手:東、八木(東レ艇友会)、高原(宮ヶ瀬BC)、河合、鵜瀬、今城、堀切、山本(白)、谷、大迫、柴田
陸上支援:草野、山崎(ゆ)
伴走艇:新田(O’PAL)
応援団:佐々木(高)とE♭&B♭の皆さん、山本家の皆さん、八木家ご家族

第2日目

昨夜、連絡不足から午前の漕手がぎりぎりの人数しかいない事が判明。急遽、相川“ひかりん”にSOSを発信したところ早朝にもかかわらずOKとのこと。坂本コーチが堅田のオーパルまで運んでくれたオールを持ってくる伴走艇を、昨日の2号艇上陸地点まで引き返し待ちました。合流の後、伴走艇にて1号艇の待つ今津まで2号艇を牽引し、海津大崎・竹生島・長浜に向けて浜を蹴り出しました。この日は薄曇りで昨日よりも漕ぎやすい日であったそうです。
本日の昼食地は長浜農業高校艇庫(長農)です。ここでは高原さんの友人、瀬田ロー会員の塚田さん、長農の部長、3年生OBと現役ボート部員の出迎えをうけ到着しました。ここの生徒たちは非常に挨拶もよく手伝いも率先していただき大変お世話になりました。(長農の皆様ありがとうございます)
やや予定を遅れておりましたが未だ北湖は凪いだ状態で朝よりも空は明るい感じでこれからも無事な周航が行えそうな予感でした。しかし、ここは北湖です。そうはうまくいきませんでした。15時頃から荒れる気配を見せた琵琶湖は、昨日と変わってバウサイからの横風だったそうです。頑丈なナックルといえども、さずがに横風には弱く16時予定の3分の1の行程を残し(彦根市薩摩町)上陸になりました。そのとき、ついに大きな問題が発生しました。2号艇に穴があいたのです。上陸時に打ち上げる波を横から受けた艇は瞬時に浸水し以前補修してあったらしい穴が内部からの水圧で破れ外側に水が抜けると言う事態になった模様です。この日は上陸地点の親切な親父さんの庭先に艇を納屋に備品を置かせてもらい長命寺の宿坊妙覚院に向かいました。この時ナックル艇から瀬田ローに連絡が行き当時艇庫にいた鵜瀬さん山崎さんが修理隊(瀬田ロークラシアン隊)を急遽組織し当日のうちにナックルを修理する事になり、明日からの周航が続行できる事になりました。この日は夜半から雨が降りましたが、明日の天気を心配する事もなく宴会をしました。
この日の参加者
漕手:東、森野、成宮、鈴木(なっき〜ず)、山崎(ゆ)、田村、高原(宮ヶ瀬BC)、北村、鵜瀬、中村、堀切、谷、黒田、丸岡、相川
陸上支援:柴田
伴走艇:山脇(O’PAL)
クラシアン隊:野村、井原、鵜瀬(重複)

第3日目

さて最終日です。昨夜来の雨も上がり昨日の上陸地点にピストン輸送で戻りました。艇の修理は完璧になされており水が漏れる心配はありません。ここから沖の島と長命寺の間を通り昨日の終了予定地点である八幡商業の艇庫を目指しました。この日の琵琶湖も薄曇りで鏡のようにないだ湖面は遠漕にもってこいでした。この予定外ではあるが早朝のセクションでは、相川ひかりんと東さんが歌う「ツクシ〜の子が恥ずか〜しげに顔を出します」とキャンディーズのBGMでモチベーションを保ちながら快調に八商艇庫を目指しました(2号艇乗り込みの者しか知らない逸話があります)。ここでこの琵琶湖周航最終乗り込みのメンバーと合流し、ようやく懐かしの琵琶湖大橋そして湖面からも見慣れた南湖に戻ってきました。途中烏丸半島北側のエリに迷い込んだり(中には入っていません。エリには岸側で通れる物と、通れない物があります)しながらついに大津プリンスホテルそして近江大橋が視界に入ってきました。長いようで短い3日間。出発したのがついさっきのようです。初日参加した者にとってはさっき瀬田ローを出発したばかりのような気がしていたと思います。
近江大橋の上から鵜瀬さんが最終の写真撮影をするというので2艇並んで通過する事になりました。近江大橋をくぐるとあとは艇庫です。ボートマン魂がみんな疼いているようでどちらの艇からともなく並べが始まりました。  我が1号艇は藻の上を通過してしまい艇速が落ち最後の勝利(?)を得る事は出来ませんでした。(でもそんなのかんけいねぇ〜でもそんなのかんけいねぇ〜)艇庫では先着の陸上支援班と瀬田ロークラブ員が出迎えてくれこの琵琶湖周航も終わりとなりました。
この日の参加者
漕手:東、山崎(ゆ)、田村、高原(宮ヶ瀬BC)、佐々木、太田、三反崎、谷、黒田、(井原)、野村、相川、柴田
出迎え応援団:黄瀬、中村(友)、坂本、嶋田
3日間の感想
おそらくこんな短期間で経験できない事が雨霰のように起こり達成感よりも「あ〜、おもろかった」ことと、何よりも人生の喜怒哀楽の“怒”が存在しない感謝の3日間でした。
琵琶湖周航参加人数30名(延べ49名)
漕手:25名(延べ38人)
陸上支援のみ:2名(延べ5人)
伴走艇:2名
特別支援隊:1名(延べ4名)
クラシアン隊:野村、井原、鵜瀬(重複あり)
  1. 琵琶湖周航の留意事項他
  2. 安全第一だが計画はすればするほどおもしろくなくなる
  3. オールはマコンがお勧め
  4. 上陸地点に応援団が来てもらえれば最高(なるべく地元の方々)
  5. 15時以降の乗艇は基本禁止
  6. 周航を楽しむなら最低3泊4日で(2泊3日は早周りとして別カテゴリーで)
  7. 漕手は最低人数で陸上支援隊は車1台以上(可能なら2台以上)一班は,複数人で
  8. 乗艇中は携帯電話が便利だが完全防水の用意が必要
  9. 緊急支援体制を整えておく
  10. ダイエットには最適(びわこ’s ボート キャンプとしてDVD化計画中?)
  11. 晴男晴女を連れて行こう
Special Thanks
川田主将(京大医ボート部)、佐藤さん(良い会)、山本さん(彦根市薩摩町)、山脇さん・新田さん(O’PAL)
そして参加及ご支援して頂いた瀬田ロー会員の皆様
「ありがとうございました。」

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