元気なさなえベルリンボート紀行

中村 さなえ

皆様、お元気ですか?
めっきり寒くなりましたベルリンから、またまたボートメールです。
ところで、ベルリンは最近、夜から朝にかけては氷点下です。
通勤の自転車も少々辛く感じるようになってきました。
毛糸の帽子に手袋、フリース付きの厚いヤッケ、完全防備で朝の冷たーい空気と戦っています。

10月13日(月)
秋休みの休暇を利用して、ベルリンの東のミューゲルゼーにあるBBGに行って来ました。
西にエンバッハ、東にBBGと言えばよいのでしょうか???
ベルリンにあるボートライ(ボート屋さん)、もちろんローイングボートのお店に行ってきました。
私はベルリンの南西に住んでいます。
ちなみにいつもレポートしていますヴァンゼーはベルリンの西の端っこにあります。
したがって、ミューゲルゼーまでは遠いのです。
電車を2回乗り継いで、自転車を電車に乗せて、最寄りの駅からは自転車を走らせて、目指すBBGをさがしました。
ここで、偶然ですが、ビール工場発見。
「BBG見学の後は、ここでビールだ。」などおまけ付き。
湖沿いの道、自転車を走らせすぐに発見。
しかし、自転車があって良かった。駅からかなり離れているのです。
レガッタバーンやボート屋さん、こういうところはとかく郊外にあるのです。ねっ・・・。

BBGの事務所の前

せっかくベルリンに住んでいるので、BBGのシングルスカルでも買って帰ろうかと、まずは事務所で、優しい、きれいな、・・・しかし大きいお姉さんと話しました。
優しいのです。
わけの分からない私のドイツ語に丁寧に答えてくれます。
一番グレードの高いシングルスカルで5500Euro。是非、買いたい気持ちになりましたが輸送の問題があるので、ただいま思案中。
ちなみに、子供用のシングルスカル1800Euroをすすめられました。
きっと私が小さくて、とてもお金を持っているような風体ではないからでしょう・・・。
さて、いよいよ工場を見せてもらおうと尋ねてみました。
な、な、なんと・・・。
マイスターがウアラウプ(休暇)中だって・・・。
ガーン!!!
工場が見たかったのに・・・。
しかし、きれいで優しい、大きなお姉さんは親切です。
マイスターの名刺をくれました。
事務所は週末はあいていないけれど、マイスターに電話して直接約束すれば、工場は週末でも見せてくれるかもしれないって・・・。
「本当かな???」
私の休暇は、もう終わってしまうので、週末に見ることが出来れば・・・。
との望みを持って、BBGの事務所を出ました。

帰り道、湖沿いのボートクラブのカフェで昼食。
近くのビール工場の生ビール、黒ビールをピルスナーと両方飲みました。
この日は、スパゲッティとドイツ料理の豚肉にザワーキャベツとジャガイモのついたもの2種類のメニューでした。
ドイツ料理の方を食べました。
お腹いっぱい食べて(豚肉は3切れもありました。ジャガイモの3個か4個分くらいあったかな?)、ビールを2杯飲んで6.5Euro。
ボートクラブのカフェだから安いのか・・・?、それとも東(東の方が物価が安いように思います。)だから安いのか???

湖沿いをサイクリング。
シングルスカル発見。
高校生かな???大きいなあ???
マコンオールで、漕いでいました。
日本はみんなとても良い道具を使っていますが、ドイツでは、ビックブレードはお金持ちのクラブか、とても上手な人達だけが使っています。
普通は、学生はマコンオールを使っている人がほとんどです。
オールはマコンで、ボートも木艇でしたが、体が大きくて、ボートはぐいぐい進んでいました。

さて、今日は10月26日(日)です。
結局、学校が始まったら忙しくて、電話をかける時間もありません。
マイスターさんに電話しなくちゃ・・・。

10月25日(土)
毎年恒例のクラブの共同作業。
春には、シーズンインの前に、秋には、シーズンオフにはいるときにあります。
3回ずつくらいあって、作業する日が決まっています。
行かなかったら、罰金(?)20Euroです。

お天気は・・・、風が強くて寒い。
きっとこの日の最高気温は4度くらいかな?
私は、ひたすら古いビックボートのストレッチャーボートを磨きました。
ニスを塗り直すためにサンドペーパーでこすって、前のニスをはがすのです。
やっても、やっても、もっときれいに・・・と言われて、かれこれ4時間、こすり続けました。
おかげで今日は、右腕の筋肉痛!!
なんで、作業をして筋肉痛なんだ!!
後は、パズルのように我がクラブの小さなクラブハウスにリガーをはずしたシングルスカルやダブルスカルを収納しました。
ボートを置くラックが動くこと、取り外しでいることを知りました。
しかし、ドイツの家具なんか、みんな重いのですが、このラックも重い。
一番高いところのラックを新しく掛けました。
重くて、重くて3人がかりで持ち上げたんですよ。

作業の後、寒くて、寒くて弱っていたのですが、ブリケッテと走って暖かくなりました。
ヴァンゼーの森を6km走りました。
12月に6km×4の駅伝みたいなマラソンがあります。
そのコースのようでした。
出るかどうかは、これから練習してから決めるんだそうです。
ベアーテとさなえは、速く走ることが出来るけれど、ブリケッテが問題だって・・・。
ヴァレスカは、走るのが嫌いだから、もう一人は他の人。
森の木々は葉っぱが、黄色やオレンジになっていて、落ち葉もいっぱい!!
落ち葉の上を走るのって、たまらなく気持ちがよいのです。
さくさくして・・・。
日本では想像できないような大きな木がいっぱいですから、落ち葉もそりゃすごいものです。
森の中の道は少々アップダウンがあって、ちょっぴり「げっ!!」と思いました
が、おいしい自然の空気をいっぱい吸って、元気いっぱいになった感じ・・・。

10月26日(日)
雨・・・。
しかし、漕ぐのでありました。
寒い。
雨にも負けず、風にも負けず・・・、雨が降っていたので風はありませんでした。
今日は、クオドです。
二宮君のメールにありましたが、もう、漕いで漕いで漕ぎまくっています。
今日も17km、気温4度(くらいかな?)、雨の中を漕ぎました。
今日は実は・・・、ブリケッテとヴァレスカは漕ぎたくなかったのです。
ベアーテはやる気満々。もちろん私も・・・。
やる気満々組の意見が通って、漕ぐことになりました。
今年はいつまで漕げるのでしょうか???
3月(3月帰国予定です。)までずっと漕げたら良いなあ・・・。(寒いけれど・・・。)

それでは、皆様、風などひかぬよう、お元気で・・・。
ベルリン、元気なさなえより

皆様、お元気ですか?
昨日、今日と瀬田のヘッドレースだったのかしら???
いかがでしたか?
医王会も出漕したのでしょうか?
来年は、私も是非参加したいです。

10月31日(金)
Hauptversammlung
クラブの総会。
今回の一番のテーマは、クラブハウスの土地問題。
現在、我がクラブハウス、駐車場、桟橋までの土地はベルリン市から借りています。
しかし、ベルリン市が財政難のため、買わなくてはならなくなったのでありました。

Abrudernの日の我がクラブのクラブハウスの写真

私の所属するクラブは、他2つのクラブと隣接しています。
中でも一番小さいのが、我がフラウエンルーダークルップです。
今回の土地購入にあたって、この3つのクラブが共同で出資することで話が進んでいます。
我がクラブは、全体の25%を支払うという提案がされました。
幹事会で、建物や土地の大きさなどから算出されたものです。
お年寄りのメンバーから、「もっと支払った方が良い。」という意見が出て、なかなか話がまとまらなかったのですが、結局のところ全体の25%ということで、話がまとまりました。 これにともない、わたしもわずかですが寄付をします。

11月1日(土)
テーゲルルーダークルップのエイトのレガッタに出かけました。
ヴァレスカ、ブリケッテは「行かない。」と言うので、ベアーテとその彼トーマスに連れていってもらおうと思ったのですが、車には座る席は2つしかないということで・・・。
エイトは漕がないけれども、魚を食べに行く同じクラブのおばさん(大江さん、大江さんがヴァンゼーでボートを漕いだ日に、クーヘンを作ってきてくれたおばさんです。)に車に乗せていってもらいました。
お昼に迎えに来てもらったのですが・・・。
私の家の向かい側の部屋に、このおばさんのお友だちが住んでいるそうで・・・。
私はずっと外で約束の時間に待っていたのですが・・・。
おばさんは、その時間に私の部屋のベルを鳴らしたそうで・・・。
その時には、私は外にいたのです。
なんと20分も外で待ちました。
おばさんは、何回も私の部屋の前でベルを鳴らしたそうです。(笑)

テーゲルのクラブに到着。
早かったみたいで、大きなミルクカフェを飲んで待ちました。

テーゲルルーダークラブのエイトのレガッタ

去年と同じように、くじ引きでクルーが決まりました。
私のクルーは小さい人が多かったです。
自分が一番小さいので、そんなこと言っちゃいけませんね。
ベアーテのクルーは、FRCW(フラウエンルーダークルップ)、私の所属するクラブのメンバーも何人かいて、大きな若い女性ばかりでした。
「きっとこのクルーが一番かな?」と思っていましたが、予想通り。
私のクルーは残念ながら2等賞でした。
しかし、14秒差(4.5km)で、ちょっとおしかったかな?
小さい人間ばかりでしたが、かなりのハイレートで、心臓が破裂しそうでした。記録は14分30秒くらいでした。

その後、魚を食べます。
魚に、ジャガイモ、インゲン豆。
魚は、Hering。しょっぱかったです。
ドイツの北の海のものです。
魚はやっぱり日本が一番?!

魚料理を食べるフェスト

クラブハウスのデイスコ?
私は、もっぱらビールを飲んで・・・。
4杯くらい飲んだかしら???
このクラブのボス(?会長さん)に、ビールをご馳走になりました。
「日本からようこそ!!」って感じでしょうか?

たっぷり飲んで、帰りはFRCWの仲間のベティーナとその彼(2mくらいある大男です。)と一緒にUバーン(地下鉄)を乗り継いで帰ってきました。

11月2日(日)
Abrudern。
シーズンオフに入ります。
シーズンインの4月には嵐のようなお天気だったのですが、この日は、青空。
ボートが足りなくて、となりのクラブのビックボートを借りました。
私は、ベアーテ、ブリケッテ、ヴァレスカとクオドに乗りました。
最初は乗ったことのなかったBBGの赤いクオドでしたが、最近は私たちのクルーの船です。

大きなバンゼーをポツダムに渡るグリニッカーブリュッケまで漕ぎました。 ぐるっと1周するのかと思ったら、ヴァレスカが「もどった方がよい。」と言い、ベアーテが「1週まわろう。」と言い・・・。
私としては、ぐるっと1周まわるのが良かったのですが・・・。
ベアーテも、私も、ブリケッテも大人なので(?)、「どちらでも良い。」と考え、ヴァレスカの思い通り、同じところをもどりました。

お昼は、恒例のズッペ(スープにパンで昼食です。)の会。
緑の菜っぱのスープ、インゲン豆のスープ、野菜だけのスープ、3種類のスープがありました。
私は、緑の菜っぱのスープを2杯に、インゲン豆のスープを1回食べました。
飲み物は、もちろんビール。

クルップマイスター(クラブのチャンピオン)の金のプレート、副賞のドイツの陶器メーカーの飾り皿をもらいました。
そうそう、クラブのホームページにクルップマイスターのレースの写真と金のプレートを持った私の写真が出ていました。
みなさん、ホームページを見て下さい。
他に、今年、レガッタで活躍したメンバーに花束、図書券。
たくさん漕いだおばさん達にも、花束やクラブのバッチが送られました。

この日、マグダレーナ(今年、U23レガッタにドイツ代表として出漕しました。)といろいろ話をしました。 彼女の練習について、いろいろ聞きました。 ドイツ代表が決まるまでの話など・・・。 今度、彼女の練習を見に行く約束をしました。楽しみです。

11月7日(金)
Fruenfest。
ベルリン中のボートクラブから女性ばかりが集まります。
毎年あるそうで、今年はとなりのポツダマールーダークルップでありました。
私のクラブでは、5年前にあったそうです。
女性ばかり・・・、しかもかなりお年寄りも・・・。
100人以上の女性が、飲んで、食べて、歌って・・・。
ボートの歌を最初にみんなで歌って、食事です。
すごい食欲。
みんなお皿に山盛り、ビュッフェの食べ物をのせてきます。
もちろん私も・・・。
ジャガイモ、ローゼンコール(小さいキャベツ)、カセラ(豚の肉)、ボーレット(ハンバーグみたいなの)サラダ、魚(サケ、Hering)にチーズにパンに・・・。
スープにデザートのベリーにバニラソース。
ビールやワインもガンガン飲みます。

フラウエンフェストの写真

各クラブからの出し物。
テーゲルルーダークラブは、女性のボートを漕ぐときの服装のファッションショー。 昔はスカートで漕いでいたのです。
長いスカートの真ん中を腰まで持ってきて・・・。
その後、ボートの上でスカートを脱ぐようになったそうです。降りるときに、またスカートをはくんだそうです。

私のクラブは、魚の歌を歌いました。
もちろん私も・・・。
12時頃まで、飲んで、食べて、歌って・・・。
歌がとっても興味深かったです。
ボートの歌ばっかり。
ドイツの女性のパワーにビックリ!!のフラウエンフェストでした。

11月8日(土)
寒くなりましたが、練習していますよ。
ヴァンゼーは大波。
縦に(湖を北上して)湖を横切って、北側の岸沿いを風が当たらないように漕いで、小さいヴァンゼーに入ります。
寒い日でした。
ニューウエーブで秋休みに買った手袋を使ってみました。
手が温かくて、快適。
練習の最初にはいつもオールメンで分解漕ぎ(クオドです。)をします。
最近思うのですが・・・、バランスがめちゃくちゃ良いと思います。(いつも何気なく漕いでいましたが・・・。)
そんなメンバーとクオドで練習できるのが幸せです。

フラウエンフェストで展示されていた女性のローイングの歴史の写真

日本では、私のような(36歳です。)女性が4人集まってクオドを組むなんてなかなかできませんよね。
前日のフラウエンフェストでも感じたのですが、ボートを楽しむ女性がたくさんいるドイツはすばらしい!!!

それでは、皆様、お元気で・・・。

ベルリンより、元気なさなえでした。

この文書の情報