秋のレースを終えて

青地宏尚

僕はこの琵琶湖レガッタ、京都レガッタを目標にしてきた。まず、なぜこの2レースに僕がこだわるようになったかということから説明したいと思う。

2004年7月18日。初夏の日に悲劇は起こった。人生2度目の挑戦となる国民体育大会出場をかけて、近畿ブロック予選・少年男子シングルスカルに出場した。昨年はダブルスカルでブロック予選に出場する予定だったが、1週間前に補欠の選手とのメンバー交代。あの時、とても辛かったのを覚えている。そして2年目こそは、と思っていたが、接戦の末3位に・・・。2位までが国体本戦出場だったので、ブロック落ちが決定。その日で僕の5年目のシーズンが終わってしまった。その日から秋のレースは何が何でも僕が勝つと決めて夏の間、トレーニングに入った。一番きつかったのは、35℃くらいの気温の中で走る10kmのランニングだ。あれは肉体的にも精神的にもまいってしまう。でも、同じ高校生の深田や坪田といった練習パートナーがいたから乗り切ることが出来た。新学期が始まった後は、ハイレート等も入れて練習。そして、レースの当日を迎えることとなる。

【10月2日(土)】 琵琶湖レガッタ1日目(予選・敗者復活)

今日は朝から雨が降ったり、やんだりの繰り返し。僕の出場した高校男子シングルスカルはこの日は予選と敗復。なので、この日の目標は予選一発で通過することと全組の予選通過者の中でのトップタイムを獲得することを目標にした。10時48分。少し雨が強かった。僕のレースが始まった。スタートが成功し、相手を見ながらレースをすることができ、1着でゴール。そして全体のタイムを見に行ったら、唯一の3分20秒台をマークしていてトップタイム!!すっごくうれしかった。また、この日は全開放流だったので、とても良いタイムが出ていた。レースの後は艇庫で少し寝た後、他の人のレースを見に行った。その後、家に帰って学校のレポートをした。そして、明日にそなえて早めに寝た。

【10月3日(日)】 琵琶湖レガッタ2日目(準決勝・決勝)

今日は朝から晴れていた。そして、今日も全開放流。準決勝1組。僕は予選トップタイムだったので、良い組にはいることができ、問題なく通過することができた。決勝レースの蹴り出し前、決勝は思い切り漕ごうと決めた。そこでイチかバチかのSR50のMAXスタートをやってみることにした。成功率は半分もない。5回くらいおこなって、1回成功すれば良い方だ。でも、チャレンジがしてみたかった。そしていよいよ決勝レース。決勝となると、今までとは少し違う緊張がある。そしてついにスタート。僕はスタートで勝負に出た。プレッシャーをはねのけ、スタート成功。スタート5本で相手に水をあけることに成功。そしてそのまま一気に突き放そうとするが、相手も必死についてこようとする。500mくらいまでで2艇身のリードを奪う。後半は相手もバテたのか、だんだん差が開き、50mくらいつけて優勝することができた。昨年、この大会4位のかりを返すことができた。本当にうれしい1日になった。

【10月10日(日)】 京都レガッタ(予選・敗者復活・決勝)

今日は今シーズンの最終戦。そして、選抜大会の切符をかけた戦いでもある。昨年のチャンピオンとして堂々とレースに臨もうとした。できたのか怪しいが・・・。予選は当たりもよく楽々通過。決勝レースは昨年の京都レガッタで洛南2×がつけた“2位と20秒差"を上回る記録を狙っていた。しかし、中盤での艇速の落ちが原因で、結局15秒差しかつかなかった。この大会では2年連続の優勝となった。そして3月にある全国高等学校選抜大会に出場が近づけたのが本当に良かった。

コメント

僕はこの2レースで両方とも優勝することができて本当にうれしい。すばらしいことだよ。本当に今期は前半とても苦しい試合が続いていた。全日本Jr,の後くらいに漕ぎ方やトレーニングの方法を変えたりしたけど、それでも状況は厳しかった。やっと苦労が報われた。今シーズンはこのままペースを保って、来シーズンは大きな大会でもタイトルを捕りにいきたい。そして、この2レースを通して出てきた課題を克服していきたい。あと、今回の京都レガッタでボート人生通算9勝目をあげることができた。だから今度は10勝目を飾ったときに会報を是非書きたい。

最後になりましたが、応援してくれた人、伴チャリしてくれた人、ありがとうございました。これからも応援よろしくお願いします。

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