A「オールって意外と長いんですね」

B「えぇ。でもそれだけではないんですよ・・・」

経験と思い込みで語る艇管理講座 第4話

オールの秘密

嶋田宏之

オールをはじめて見る多くの方は、その長さに驚かれます。スカルオールの長さは280〜290㎝です。確かに長いですね。しかし、オールの凄いところは、その強度にあります。材料等についてはあくまでも経験と思い込みだけで話をしているので深く触れませんが(確かFRP・カーボンあたりだったような気が・・・)。特にブレード(板)部分の強度は半端ではありません。疲労でシャフト(棒)部分がポキッと折れてしまうことはたまに聞きますが、ブレード部分が割れたという話は聞いたことがありません。オールの運搬をする時も、ブレードよりもシャフト部分等を大事にしています。

では、オールについては丈夫なので手入れは必要ないのか?と言うと、そうではありません。オールの管理について重要なのは、グリップやピボット(クラッチに差し込む白または黒い部分)です。ご存知の方も多いと思いますが、これらの部品は消耗品であり、ある程度使い込んでいると磨耗していきます。特に、グリップ部分については手垢や汗による汚れてしまうと、ぬめりが出来てしまい、滑りやすくなり危険なので、たまにはスポンジで水洗いするようにしましょう。

高校ボート部や大学ボート部では、船台に置いているオールをまたぐ事をタブーとしているチームが多く、怖い先輩に雷を落とされている後輩の姿を時おり見ることができます。瀬田ローのメンバーの中にも、こうした習性が残っている人がいますので、注意してみてみましょう。

(次回予告)シングルスカルの重量は14〜15kg。重い?軽い?

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