僕も私も同じサイズ?

経験と思い込みで語る艇管理講座 第9話

艇のサイズ

嶋田宏之

全日本も終わり次の目標を求めながらシングルスカルを漕いでいる嶋田です。

艇を漕いでいて気が付くと思いますが、艇には様々な器具が固定されて一つの乗り物になっています。大きく分けて、「艇の胴体にあたる艇身」「ローロックと艇身をつなげるリガー」「オールをはめるローロック」「足を固定するストレッチャー」です。

クラブチームとして幅広い年齢層の活動を一つの理念とする瀬田漕艇クラブには、身長140cm程度の子供もいれば、180cm以上の大人までいます。足の長さ・胴の長さ・腕の長さ・骨格の形など、個人差があるのは言うまでもありません。こうした人達が同じサイズの艇を漕げるでしょうか?自転車で考えてみてください。大人が小学生の自転車に乗れますか?乗れたとしても自然にペダルを漕げますか?かなりきついですね。

これと同じで艇についてもそれぞれの体格に合わせたサイズがあります。

スプレッド

ピンヒール、ワークハイト、ストレッチャー角、ヒールデプス

こうした調整(リギング)を行うことで自分の体格に最も適した状態をつくります。なおスカル教室のように艇を頻繁に乗り換える場合は、毎回リギングするのは手間がかかるので、(4)のピンヒールだけでも確認するとある程度漕げるようになると思います。

毎日練習している選手にとってはこうした設定は大切なもので、わかる人には数mm単位の違いを感じることができるそうです。え?僕ですが?聞かないでください。

第8話で紹介した艇運搬を行うと、リガーをはずした状態からリギングを一から行う必要があります。間違っても今まではめていたリガーと違うものを装着してしまうと大変なことになるのです。同じように見るリガーでも微妙に作りが違っており、漕いだ感触が大きく変わるからです。

(次回予告)・・・艇にプロペラ?・・・モーター?・・・??

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