デンマークが瀬田へやってきた

モーター運転手担当 嶋田 宏之

いよいよアジアで初開催となる岐阜世界選手権に向けてデンマーク代表が瀬田に入りました。世界トップレベルの漕ぎなどについては、実際に世界選手権会場で見ることをお勧めしますので、今回は彼らと接していて思ったことを紹介しようかと思います。

デンマークは暑さが苦手

ヨーロッパでも北方に位置し、近くに暖流も流れていないデンマークはずいぶん涼しい気候だそうです。どれだけ温度が上がっても25度程度にしかならない国から来た彼らにとって、30度を簡単に超えてしまう日本の夏はかなりきついようです。練習中も、橋の下で休んでしまうことが多いです。※本来、橋の下で止まるのは危険なので禁止です。

さらに、肌の白い選手にとっては、太陽の日差しによる日焼けがかなり苦痛になっているとのこと。確かに見る見るうちに肌が真っ赤になっていく姿を見ているとかわいそうに思えてきます。とりあえず「日本の夏は帽子が必需品ですよ。」とアドバイスしておきました。今年の世界選手権、彼らの最大の敵は「暑さ」かも!?

花火大会

京都大学ボート部の招待で瀬田川花火大会をデンマーク代表と共に見に行ったのですが、若い選手がなにやら興奮しながらコーチに話し掛けていました。コーチが言うには「コーチ、コーチ。YUKATAを着た女性の首の後ろがとてもセクシーだね。」と喜んでいるのだとのこと。とりあえず「それはUNAJIと言うのですよ。」と若者にアドバイスしておきました。男の考えることは万国共通みたいです。

万国共通といえば、偶然、花火大会を見に来ていた犬が見慣れぬデンマーク人に興味津々で、それに気づいたビーグルを家に飼っているというデンマーク選手が何か犬に話し掛けていました。「何を言っているの?」と聞くと「これはデンマーク語で“お手"と言う意味だよ。」とのこと。「でも、彼は日本人だからデンマーク語はわからないよ。」と突っ込んでおきました。犬の飼主に日本版“お手"の見本を見せてもらえるようにお願いしたのですが、犬は全く無反応でした。ご褒美をもらえないから“お手"が出来ないとのこと。「デンマーク犬と同じだね」と彼は言っていました。

女性アスリート

各クルーの乗艇時間を確かめていると、なぜか女子4×と女子1×を担当するコーチだけ他のクルーに比べて一時間だけ早くモーターを出すことになっていました。あとで聞いた話によると、先日、女子1×の選手がコーチに向かって「私は全然コーチに見てもらってない!どういうことなのっ!!なんでなのっ!!」とかなり本気で怒っていたそうです。こうしたことから、仕方がないので女子1×だけ一時間早く出艇して、しっかりとコーチングをすることになったそうです。

この日から彼女はいつもニコニコしており、コーチも「彼女は今とてもHappyだ。」とコメント。・・・これまた万国共通で、女性アスリートの扱いは難しいみたいです。

狩猟民族

モーターで瀬田川を走っていると、とんびがあちこちに飛んでいます。これを見たコーチが「俺達の国では、鳥をハントして楽しむ習慣がある。」と教えてくれました。

瀬田ロー艇庫周辺には人間慣れして緊張感のかけらもない鴨たちが・・・。「やばい!逃げろっ!狩猟民族がやってきたぞっ!!」

農耕民族の国に生まれてよかったな。鴨達よ。

デンマークと日本の認知度

コーチ陣に「日本人で知っている有名人はいるか?」と聞いてみると「・・・SAKAMOTO!彼はシンセサイザーを演奏するミュージシャンだ。」と言われた。「Ryuichi Sakamotoか?」と聞くと、そうでもないらしい。「25年ほど前のミュージシャンだ。お前はまだ2歳だからわからんだろう。HAHAHA・・・」と。「そういうお前はデンマークの有名人知っているのか?」と聞かれる。「・・・アンデルセン?」

結局、この程度か・・・。

こんな彼らですが、どのクルーも世界選手権ではメダル候補の実力派クルーばかりです。みなさんも世界選手権は現地で応援しませんか?そして、その記録を大切にみなさんの家で保管しませんか。

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