The Coach's Corner Vol.9

The Coach in Greece

坂本剛健

 どうも,The Coachです.お久しぶりです.3月に「最後のお願い」と題して投稿してから,半年が経過しました.瀬田ローに帰ってきたら見たことの無い高校生がたくさん艇庫にいて驚きました.野村君や青地君を始め,みんなが熱心に勧誘してくれたようです.僕がいなくなったあとのジュニア選手の指導について心配していたのですが,嶋田君が熱心に指導しているのを見てホッとすると同時に隔世の感を覚えました.指導などできないと若手選手と一緒に漕ぐことを極力避けてきたあの嶋田が,選手チームの中にいてすら馴れ合いの練習はイヤだと常に集団から離れ孤独にシングルスカルを漕いできたあの嶋田が,自分のことだけを考え自分のためにだけボートを漕いできたあの嶋田が,自発的にジュニア選手を指導するようになるとは・・・.人数も多く,一人の手には余ることもあるでしょうから,皆さん嶋田コーチのお手伝いをよろしくお願いします.っと前回で最後のお願いのはずだったのにまたもお願いをしてしまいました.

 瀬田に居ない間は何をしていたか?前回投稿でも触れましたが,日本代表チームの長期海外遠征のサポートです.今回主に滞在したのはギリシャでした.会話は英語がそれなりに通じるのですが,数ヶ月も滞在しているとギリシャ語も少しは覚え,帰る間際には「ポスイセ?(ご機嫌いかが?)」「ポリカラ!(元気です!)」と簡単な挨拶程度ならできるようになりました.これで英語に続く第二外国語はギリシャ語に決定です(大学の時に履修したドイツ語は却下).でも読むことはできないので,次に行く機会があればギリシャ文字も覚えたいですね.

 遠征前半(4月から5月末)はアテネ近くのマラトン,後半(6月末から8月末)は北部の町イオアニナに滞在しました.宿舎も,周りの環境も,食事も良かったため快適に過ごせました.しかしネット接続には困りました.ギリシャはヨーロッパで最低といわれるほどネット環境が悪いのです.LANどころか電話回線すら部屋には無かったので,ホテルのフロントで借りたり,漕艇場のオフィスで借りたりと結構な手間でした(音響カプラーを使っている人もいました).日本から写真を送って欲しいと言うリクエストをもらったときなどは,送付すべきメールを溜めておいて,移動の際に空港で無線LANを使って送るということをする必要がありました.例えば朝日レガッタで展示してもらった写真はそうやって送ったものなのですよ.血と汗と涙の結晶なのです.ちゃんと見てもらえましたか?

 あと困ったことといえば数少ないメンバーで行っていたため(4月から行っていたのは4名のみ),話題がつきてしまったことです.4名中3名が西日本出身と言うことで(?),それぞれが常に面白いネタを提供し周りを笑わせることを心がけていました.遠征中は1日6~8時間トレーニングをしているといってもそれ以外は基本的に暇な時間です.ネットは思うように出来ないし日本から持ってきた雑誌類はすぐに読みきってしまうしで,なんとか自分たちで時間つぶしをする必要があったのです.あのトレーニングボリュームに耐えるにはなんとかテンションを上げて笑うしかないと言う事情もありました.そんなこんなで春先の遠征はなんとかそれぞれの持ちネタで引っ張ったのですが,後半の遠征では持ちネタも無くなりました.そうなるとテンションが上がるのは綺麗な女の人を見かけたときくらい(意外なことにギリシャではなかなかレアです.ジャバザハットのような女性は良く見かけます).ヒマな時はカフェでフラペー (非常に濃いギリシャ式アイスコーヒー) を飲むくらいしかやることがなくなってしまいました.もし来年も行くことになれば早速話題に困ることは今から目に見えていますので,ネタ探しに余念のない今日この頃です.

この文書の情報