第20次南氷洋鯨類捕獲調査 海王丸からのメール

2007/02/27 海幸丸 石田雅照

瀬田操艇倶楽部のみなさんごぶさたしています。 メリークリスマス、新年明けましておめでとうございます。等、季節によって変わるあいさつも数をかさね、いつのまにかこの航海も3ヶ月経とうとしています。皆さんは、いかがお過ごしでしょうか。それでは簡単に、航海の概要を説明しましょう。

11月17日に仙台を出航して、一路南氷洋へと向かいました。一ヶ月もの航海の後、12月中旬無事に調査海域に到着しました。途中船内では、赤道通過の際、赤道際を行ったりしてにぎやかに過ごしてきました。 この赤道際というのは、赤道の神様に航海の安全を祈願するもので、神様にふんする若者との鍵渡しを行い、再び赤道に戻ってくることができるよう約束を交わすものです。

さて、儀式はそこそこにあとは酒あり、カラオケありのどんちゃん騒ぎとなります。しかし、船の上は楽しいことばかりではありません。赤道を過ぎて10日もすれば、暴風圏とよばれる非常に風の強い海域に突入します。大時化の中を船は進んでいくのです。そして出航して25日、南緯60度以南いわゆる南氷洋に到達します。

水温0度、気温-3度これから夏を迎える南極海での調査が始まりました。僕の乗っている船は、目視専門船といって、主に採集船(キャッチャーボート)のための先行調査をすることが仕事です。調査は朝7時から夜7時までの12時間行われます。双眼鏡を使って鯨を探し、資源量の調査を行います。場所によっては氷山の合間を縫うように走り,氷を押しのけ調査は進むのです。

調査は鯨探しだけではなく、網を流し、鯨のエサとなっているものを捕獲する、いわゆるトロール操業も行います。捕獲の成果としてはオキアミが多いのですが、まれにクリオネのようなものが網に入り僕らを楽しませてくれます。

さて、僕はどのような仕事をしているかというと、船の底にあるエンジンルームで機械の運転保守を行っています。主機、発電装置、造水装置、トロールウインチ等を調査がスムーズに行えるように操作するのです。もちろん、鯨探しもします。デッキに出て、鯨を追いかけることもとても気持ちのいいものです。

それでは、もうしばらくのお別れです。 内地では卒業及び人事異動のシーズンを迎え、この春から違う環境での生活を送られる方も多いと思いますが、どうぞ瀬田操艇倶楽部や滋賀県のいつでも、誰でも、どこでもスポーツが楽しめるという雰囲気を大切にされてください。僕自身、他県民ではありますが、こちらに所属してから、このことを強く意識するようになりました。春、また顔を出しますので、そのときはよろしくご指導のほどお願いします。

この文書の情報