瀬田漕艇倶楽部30周年記念カンファレンス

今城律雄

ご案内していましたように,去る4月29日にクラブ設立30周年を記念し,カンファレンスとパーティーを開催し,会員および関係者の方々70余名にご参加いただきました.当日残念ながらご出席いただけなかった方々に対し,簡単に内容をご報告いたします.

瀬田漕艇倶楽部は1977年に発足後,NPO法人化,カヌー・ドラゴンボートを加えた総合型地域スポーツクラブへと発展を遂げ,今年で30周年を迎えました.今回は単に30周年をお祝いするのではなく,今後のクラブの活動の方向性を会員全員が共有する機会にするためのカンファレンスを開催しました.

基調講演では静岡県ボート協会の内藤元巳会長をお迎えし,「Jリーグ・ジュビロ磐田の総合型地域スポーツクラブ実践と将来ビジョン」という演題でご講演いただきました.内藤さんには数年前に朝日レガッタコーチセミナーの講師としてクラブにお越しいただき,ご講演いただいたことがあります.サッカー前日本代表監督ジーコが出身のブラジルのフラメンゴやフランスのプロラグビー選手を輩出するバイヨンヌも起源はローイングクラブであること,特に町の人口の半分がクラブ員というバイヨンヌの例には皆さん驚かれたのではないでしょうか.その後,Jリーグ100年構想のDVDを見て,Jリーグが目指す総合型地域スポーツクラブのイメージを共有し,内藤氏が立ち上げと運営に携わられたジュビロ磐田の取組みについて紹介いただきました.

写真で綴る瀬田漕艇倶楽部の30年ではクラブ創設者の一人である古川さんからクラブの変遷と我々が目指すべき見本となる海外の多くのローイングクラブが紹介されました.多分,それらの写真を事細かに説明していただいたら,日が沈むまでお話していただけそうなほど,たくさんの興味深い話ばかりでした.なお,このときに使用した写真は印刷してテラスの横に掲示されているので,クラブにお越しの際は一度御覧下さい.

それらを受け,今後「総合型地域スポーツクラブとしての地位を確立する」という将来ビジョンの下,競技,普及,保全,財務という4つの分科会から発表が行なわれました.競技分科会からはボート,ドラゴン,カヌーのアクティブメンバー(競技者)の倍増,普及分科会からは「なぜ我々は普及に取り組むのか」というNPO活動の原点に帰り,これまでのシーズ指向(ボートが得意だからボートの普及をする)のではなく,ニーズ指向(市民は何を欲しているか)にシフトしていく必要があること,保全分科会からは地域環境への取組み,4年後の琵琶湖漕艇場の指定管理者取得,10年後の新クラブハウス建設,そして財務分科会からはそれらを達成するために必要な資金のシュミレーションと調達方法が提案されました.そして最後に,まずは7月29日のびわこ市民レガッタを会員一丸となって成功させるという目標に向って進んでいくことを確認しました.本カンファレンスを通じて,改めていつでも,だれもが水上スポーツを楽しめる総合型地域スポーツクラブを作り上げていくというビジョンとイメージを共有することができたのではないかと思っています.

カンファレンス後は場所を船台に移し,抜けるような青空の下,クラブ最年長の内田さんの乾杯で記念パーティーが行なわれました.古川さんが寄付を集め,会員で自作したテラスで30年間の写真を眺めながらの生ビールは格別でした.古川さんが率先してテラス作りを提案した意味がそのときはっきりと理解できました.

最後に30周年を記念して寄付して下さった賛助会員の山本章文さん,お花を寄贈いただいた浜寺RCの宮内さん,寄付をして下さった荒井さん,高松さん,亀山さん,差し入れをして下さった琵琶湖ドラゴンボートクラブの坂井さん,ビールサーバーを寄付して下さった北村忠夫さん,成宮さん,そしてこれまでクラブをご支援いただいた皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます. 今後7/29はびわこ市民レガッタ主催,翌週は琵琶湖周航,9月はドラゴンレース,10/20は水上マラソン開催,10/27-28はHead Of The Setaと行事が目白押しです.皆さん,率先して参加しましょう!!

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