フランスのボートクラブ訪問記

内田太二

3月5日〜3月11日にフランス旅行に行ってきました。今回の旅行の目的は、大学の3回生くらいからどうしても一度見たいと思っていたモンシャンミシェルを見に行く事と外国のボートクラブでボートを漕ぐという2つでした。今日は、ボートクラブに行った事について書きたいと思います。

なぜ、外国に行ってボートを漕ぎたいと思ったのかというと、ボートを10年以上真剣に続けてきた中で、ボートは言葉の通じない相手とも言葉以上に通じ合えるコミュニケーションツールだと思うようになっていったからです。ですので、今回の旅行でこのコミュニケーションツールを使って、知らない外国の人たちと仲良くなりたいという目的が出来たのです。 フランスのパリ近くにボートクラブがある事を知ったのは、鵜瀬さんがきっかけでした。鵜瀬さんのHPにパリ近くでボートを漕いでおられる方からコメントがあったそうで、それがきっかけでパリ近くにボートハウスがある事を知りました。その後、鵜瀬さんがその方と連絡を取って下さって、ボートハウスの住所、メールアドレス、電話番号などを聞いてくださいました。どうやってフランスのボートクラブとやり取りしようか…。フランス語も英語もちゃんとできない僕にとっては、電話は無理。残された手段は、メールで連絡を取り合う事です。ですので、すぐに相手先にボートハウスを見学させてほしい事をメールで送りました。2度ほどメールを送ってみましたが、返事は結局返ってきませんでした。

「さて、どうしたものか・・・」と悩んでいる僕にある1つの言葉が頭をよぎりました。

「人生、何事も気合じゃーーーーっ!!!!」

そう、我がボート人生の先輩F氏の口癖です。そこで、僕はこういう計画を建てました。「よし、アポ無しで電撃訪問してみよー!!!」

相手先が何時ごろ漕いでいるのか、訪問者を受け入れる体制があるのかなど全くわかりませんでしたが、僕に残された手段は、これしかない!どうせ漕げないなら出来る限りの事をやってから漕げない方がいいやと思い、この手段をとりました。見ず知らずの外国人で言葉もちゃんと話せない僕が、どう説得して、クラブ見学や漕がしてほしいと伝えようか全然イメージが沸きませんでしたが、とりあえず現地に行ってから考えようと思い、フランス旅行の時を待ちました。 フランス旅行の最終日にパリ郊外にあるボートハウスを訪問しに行きました。その日は、あいにくの雨と強い風が吹いていました。相手のクラブの名前はACBBクラブという名前です。パリ市内にある宿泊場所から地下鉄を乗り継いで1時間ほどでクラブに到着しました。クラブに着いてまず驚いたのは、そのクラブの大きさです。しかもきれいです。僕が行ったのは午前11時頃でしたが、その時に漕いでいる人たちは40人ほどいました。艇を洗っている人に事務所の場所を聞き、事務所の方へと向かいました。写真でいうと右側の建物の2階に事務所がありました。さて、いよいよ交渉の時がやってきました。艇庫に来てから話したい文章を少し考えましたが、それでうまく伝わるのか…何事も気合じゃー!! 事務所の扉をノックすると中から声がしました。そっと扉を開け、中に入ると一人の男性がパソコンで仕事をしていました。

「ボ、ボンジュール、ムッシュ!!」ここは、まず相手の国の言葉で親近感を…

「アゥアゥ…;´Д`」」

緊張して次に言う言葉を忘れてしまいました… すると、相手の方が「イングリッシュ、オーケー」と

いや、英語で喋りたいんですけど、何を言うのかを忘れているんですよ…っ、思い出した!!!

自「私の名前はタイジウチダです、私は日本から来ました」

相「わかった」

自「私は、以前あなたのクラブへメールを送った者です。私は、日本のボートクラブでボートを漕いでいます。私は、あなたのボートクラブを見学させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

相「オーケー、そしたら、今私は仕事をしているから1時間後にもう一度ここにきてください、そしたらクラブを案内しますよ」

やったー!!!!! やりましたっ!! なんか、もっとややこしくなるかと思いましたが、すんなりオーケーが出ました。下のロビーで待っていると30分ほどして、さっきとは違う方が来られて「僕が案内してあげるよ」と行って下さいました。どうやら、さっきの方がこの方に頼んだみたいです。クラブについて色々と紹介していただいたので、話していただいた事について書きます。(ですが、英語があまり聞き取れていない部分が多いので、わかったところだけなんですけどね…(●´ω`●)

  

このクラブは、1945年に作られたそうです。会員は500人(ボートだけの人かはわかりません、カヌー、セーリングの人も含んでいるのかも)

艇庫は現在も新しく作り変えているそうです。会員だけで資金とかを調達して運営しているのではないそうです。(ここで漕がれている方のHPを見たら、市の第三セクターと書かれていました。)この場所には、艇庫がいくつもあり、そこをセーリング、ボート、カヌーの艇庫として使い分けれられていました。また、艇を修理するために1つ艇庫を設けたり、室内のローイングタンク、トレーニングルーム、エルゴルーム、大小含めて6〜7くらい?の会議室、事務所等の部屋がありました。また、艇庫前は板張り、カウンター付きのカフェも作られる予定だそうです。艇庫前にはプールがあり、そこはカヌーの初心者が練習する場所だそうです。コースは、セーヌ川を使い、6キロほど取れるそうです。ただ、大きな船などが通ったりするので、危険な場所でもあるそうです。僕が行ったときも観光船や工業用の船が行き来していました。艇庫では、初心者用の艇やうまくなった人用、レース用、トレーニング用など選手のレベルに分けて艇を使い分けているそうです。

と、今回はこれくらいの事が聞き取れました。この後、仲良くなれれば、一緒にボートを漕がせてもらえないでしょうか?とお願いする予定だったのですが、今回はやめておきました。それは、今回外は雨が降っており、かつ風も強かったからです。ボートを漕ぎたいと言えば、漕がせてもらえたのかもしれませんが、艇庫を案内付きで見学させてもらっていましたので、これ以上は、お願いではなくわがままになると思い、今回はやめておき、次の機会に取っておく事にしました。それに、ボートを漕ぐ事が目的ではなく、ボートを使って仲良くなる事が目的なので。今回は、写真を見てもらえれば分かるように仲良くなれました☆この方は、BIERさん。クラブのトレーナーをやられているそうで、日本でいうコーチだそうです。と、このような形で今回のボートクラブ訪問は終わりました。本来の目的どおり、ボートを通じて外国の方と仲良くなる事が出来ました。また、次にフランスにいく機会があるのなら、またこのクラブを訪問させて頂いて、この日の続きを楽しみたいです!!今回の訪問にあたり、鵜瀬さん、同クラブの情報を提供してくださった方(お名前は伏せさせていただきますね。本当にありがとうございました。

編集注:この投稿はhttp://blog.livedoor.jp/setarc/から転載しました。瀬田漕艇倶楽部選手チームブログもお楽しみ下さい。

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