世界選手権決勝2日目

4/9/05 8:09 AM

By Melissa Bray

今大会の世界記録は認められないことが決定した。

M4+

2日前のレーン決定戦ではフランスが勝利していたが、今日はアメリカがスタートから飛び出した。

フランスはコンパクトな漕ぎで、身長210cmの整調BrettNewlinが引っ張り続けるアメリカを追いかけた。

1000m地点を通過してもアメリカが依然とリードを保ち、このまま逃げ切るかと思われた。しかし、ラスト500mフランスが強烈な追い上げを見せた。後方でもドイツとカナダの激しい3位争いが行われていた。最後のスプリントでは、レート39〜40のフランスがレート34のアメリカをラスト50mで追い抜き、1位に輝いた。3位は僅差でドイツ。

LM2-

デンマークとチリの対決が注目の的だった。デンマークの世界チャンピオンBoHellebergは、友人でもあり五輪チャンピオンでもあるThomasEbertとコンビを組み、今大会の優勝候補だった。EbertはFISAが発表した世界で活躍する選手TOP10にランクインしている。対するチリは2002年の世界チャンピオンMiguelCerdaと五輪選手Felipe Lealのコンビで決して引けを取るものではなく、7月のワールドカップではデンマークに勝っている。

いざレースが始まると、驚くほどのことでもないが、長いレンジでパワフルに漕ぐエジプトがトップに出た。デンマークとチリは1000m地点になっても3位と4位に抑えられていたが、焦る様子もなく漕いでいた。逆にイタリアは2位を必死にキープし続けてていた。

イタリアのクルーは決して遅いクルーではなく、アテネではLM4-で4位になったコンビである。イタリアは500m地点で逃げるエジプトを捕らえ1位に上り詰めた。しかし、予想通り、ここから大本命のチリとデンマークが一気にイタリアを押しのけ飛び出した。先に前に出たのはデンマークだった。チリはスプリントを失敗したのか?いや、違う。デンマークのレートは37なのに対して、チリは40で漕ぎ続け、どんどん差を縮め始めた。

ずっと昔に一緒に漕ぎ始め、今回も同じ試合で引退を表明しているデンマークのHellebergとEbertは、遂に2005年世界チャンピオンに輝いた。チリのCerdaは銀メダルを獲得し、南アメリカで最も活躍する漕手の一人となった。相方のLealは世界選手権初メダルだ。ペアへ移行したばかりのイタリアの二人も銅メダルを手にいれ、嬉しそうだった。

LW4×

スタートではカナダとイギリスが飛び出した。イギリスの整調は今までシングルを漕いでいた24歳のNaomiHoogestegerだ。1000m地点でもカナダがイギリスをリードしていたが、ひしひしとデンマークが迫っているのを感じていた。デンマークの2番MariaPertiにとって3度目の世界選手権で、彼女は今年のインドアローイング大会で7'11"をマークして優勝している。デンマークは確実に艇速を上げていき、イギリスを追い抜き、カナダとの差もどんどん縮めていった。これに対してカナダもレートを34から30台後半へ引き上げ、レート40のデンマークに対抗した。

最後はカナダが1位となり、デンマークが2位、イギリスが3位だった。今回の優勝タイムは6'19"で世界記録となるはずだが、規約により今回のタイムは認められないことになっている。しかし、今年のこの種目は非常にレベルが高かったという事実は疑う余地がない。

LM4×

イタリアがこの3年間この種目を制覇している。FilippoMannucci・LucaMoncoda・DanieleGilardoniの3人は、過去3年間この種目で漕ぎ続けており、バウには新しくGardinoPellollioが座っていた。誰が彼らの記録に挑戦できるのだろうか?

イタリアの整調Mannucciはオーストリアを引き離し続け、1000mではカナダに2秒差をつけた。カナダにはU23の銅メダリストMorganJarvisが乗っており、このクルーはわずか4週間前に編成されている。

イタリアの残りの脅威はベルギーにあった。終始4位につけていたベルギーが、ラスト500mでカナダを追い抜き、突如レート40で飛び出したのである。それに対してイタリアはレート36で漕ぎ続けた。

イタリアの3人は4度目のタイトル維持に成功し、Pellollioはとりあえず1回目のタイトルだ。2位はベルギーで3位はカナダ。

LW2×

ドイツのDniela ReimaerとMrie-Louise Draegerは今シーズン最も活躍したドイツのクルーだ。 この二人はスタートで飛び出した。しかし600mでは今シーズンから軽量級ダブルで活躍し始めているフィンランドが前に出た。ドイツはもう一度前に出ようと勝負に出たが、Draegerがグリップを放してしまいさらに遅れてしまい、最後のスプリントまでフィンランドがリードを保ち続けた。フィンランドはレート35で逃げ、ドイツは36で追いかけた。しかし、ここで3位にいたアメリカが突然現れ、この攻防に割り込んできた。完全にレートで劣るフィンランドとドイツを抑えて、アメリカがラスト200mでトップに出た。しかし、最後の最後、ラスト2本でドイツが1位に登りつめ、金メダルを勝ち取り、アメリカが2位、フィンランドが3位になった。

いつもしかめっ面をしているアメリカのコーチTedNash(72)だが、ゴール地点まで自転車で追いかけた彼は大喜びしていた。彼は11回のオリンピックと数え切れないだけの世界選手権を見続けている。表彰式ではドイツのReimaerは涙を流して喜んでいた。フィンランドも満足げに微笑んでいた。このメダルはフィンランドにとって長い間待ち望んでいたメダルだ。

LM2×

エントリー数24の中からついに新顔を含んだ6クルーが決勝に進出してきた。

「go!」のコールと共にハンガリーのZsolt HirlinとTamas VargaがスタートでデンマークのMads RasmussenとRasmus Quistを抑え込んだ。1000mではこの2クルーの差はほとんどなく、ハンガリーはデンマークのレート37に対して1枚ほど大きく漕いでいた。一方、3位争いではポーランドとイタリアが激しく戦っていた。

ハンガリーとデンマークは同時にゴールに飛び込み、同様にポーランドとイタリアも同様にゴールした。1位はハンガリー、デンマークは彼らの世界選手権最高順位の2位となった。3位は写真判定でポーランド。

LM4-

フランスの圧倒的な力は疑う余地がなかった。フランスの整調、背の高いFabien Tillietが強力に漕ぎ、レート38で飛び出した。最初にドイツが諦めてしまい順位を落とし、続いてアイランドが強烈に追い上げ始めた。フランスは首位をキープしたままスプリントに入った。

アイルランドがイタリアに追いつく前に、後方に控えていたイタリアとオーストラリアが迫ってきた。ゴールではフランスが1位になり、写真判定でアイルランドが2位になり、イタリアが3位となった。

W4×

長い間メダルから遠ざかっていたドイツが世界選手権決勝へ進出した。対するイギリスは今シーズン全てのワールドカップでメダルを獲得してやってきている。ドイツはKathrinBoronを4×に戻し、予選でも結果を出していた。

スタートではイギリスが飛び出したが6クルーの差はほとんどなかった。1000mでついにドイツがイギリスを抜き1位に出た。しかしここで予期せぬハプニングが!Boronが長いローイング人生の中で初めて、ハンドルを手離してしまったのだ。彼女達はすぐさま艇を立て直し、リードを保ち続けた。この事故はドイツのリズムを狂わせてしまったのだろうか?

ラストスプリントに入ってもドイツは僅差でイギリスを抑え、ルツェルンで勝利しているロシアが3位についていた。しかし、1700mで一気にレートを上げたイギリスがトップに立った。ドイツは反応できなかった。イギリスが金、ドイツが銀、ロシアが銅となった。落ち込んでいた4度の五輪優勝を経験しているBoronは、ゴール後イギリスのレッドグレイブに慰められていた。彼女は言った「この試合は最悪だった今シーズンの締めくくりだったわ・・・。」銀色のメダルが彼女には許せなかったのだ。

M4×

決勝に進んだ6クルー全てが今シーズンを通して活躍しており、どのクルーが優勝してもおかしくなかった。スタートでは若手とベテランが入り混じったポーランドが、CopとSpikが率いるスロベニアを抑えて飛び出した。しかし、この差はわずかなもので、1000m地点を通過しても6クルー全てに金メダルのチャンスがあった。ここで驚くべきことに、チェコが順位を落としてしまった。

最後はポーランドがこの種目初の世界チャンピオンとなり、スロベニアが銀、スロベニアのSkipは艇上で立ち上がり、クルーと喜びを分かち合っていた。エストニアも満足している様子で、バウのJueri Jaanson(39)は彼のコレクションに銅メダルを追加した。

W8+

ライバル関係のあるルーマニアを意識したアメリカが、スタートから飛び出し、65本ほどで1艇身の差をつけた。少しアメリカ圧倒された感のあるルーマニアが2位につけていた。しかし1000m地点ではアメリカに追いつき、敗者復活を通過してきたオーストラリアも動き出した。このオーストラリアの追い上げは強烈なもので、ルーマニアを追い抜き、さらにアメリカを追い詰めた。レート36で力強く漕ぎ続けているオーストラリアはついにラスト400mで首位に出た。このままゴールラインを切るのか?そう思った瞬間、どこからともなく、真っ赤な顔をしたコックスの激を受けたオランダがどこからともなく現れた。ゴールまで残りブイ3個の地点でオランダはアメリカに追いついた。

4艇がゴールラインになだれ込んだ結果、オーストラリア1位、ルーマニア2位、オランダ3位となった。オランダは昨年の五輪以来、勝利に恵まれていなかったが、ついに勝利を掴んだ。逆に金メダルを目標としていたルーマニアは、5回の五輪出場経験を持つ英雄ElisabetaLipaに褒められていたが、曇りがちの表情だった。オランダクルーも残念な風であった。「スタートで出れていれば・・・。」

M8+

アメリカが、W8+と同様にスタートで飛び出した。アメリカのコーチMike Tetiはアテネ五輪で金メダルを獲得したクルーの整調と7番のシート順を入れ替えていた。新しく整調になっていたBeau Hoopmanはレート37で漕ぎ続け、わずかなロシアとのリードを守り続けた。しかし、さらなる脅威がアメリカに襲いかかってきた。イタリアがロシアを抜き去り、ドイツも追い上げてきた。彼らはアメリカを捕まえることが出来るのだろうか?

最後はアメリカが1位となり、イタリアが2位となり、エイトで始めてのメダルを得た。またドイツは昨年から1つ順位を上げ3位となった。

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