今回は私が所属していたローイングクラブについてご紹介します。名前はMaidenhead Rowing Clubと言い、通称’MRC’と呼ばれていました。1822年創立ですから185年の英国の中でも伝統あるクラブです。メイドンヘッドはテムズ川上流に位置し、近隣にはヘンリーやマーローがあります。テムズ川沿いには50を超えるローイングクラブがあり瀬田ローと同じくほとんどがNPOでありメンバーが自主的に運営しています。
MRCではメンバーは年齢、漕暦に応じて以下のいづれかのクルーに所属します。活動の中心はやはりレースへの参加です。ヘンリーロイヤルレガッタをはじめ、英国内のレースはもとより欧州域内で開催される国際レガッタにも遠征します。本年度のヘンリーロイヤルレガッタでは男子4Xの部で優勝という快挙を成し遂げています。
私個人はVeterans Mens Squad(通称Vet-men)のメンバーとして英国内のレースを中心に出漕していました。日本で言うマスターズレガッタの類です。英国にも古川さんのようなパワフルな熱いオヤジが山のようにおりましてレースともなるとその盛り上がり方は尋常ではありません。レース前の饒舌戦に始まりレース後のパブでの呑み会までとにかくボートを楽しむスタイルです。
地域に対する貢献としては8月に行われるMRC主催のレガッタがメイドンヘッド市の大きなイベントになっています。レースにはロンドン周辺のクラブから100クルー近くがエントリーします。市民のためのお祭りという位置づけでみんなが楽しむ機会になっているのもいいですね。
年間のイベントとしては春と冬にパーティがあり、3ヶ月に一度全員が集合してクラブハウスの補修工事や近隣清掃などを行います。メンバーには上も下もありません。掃除は毎週、クルーが当番を決めて公平かつ自主的に実施します。だからいつもとても綺麗です。クラブ内には漕艇関連の施設の他、バーやバンケットルームにもなる大会議室もありますので結婚式のパーティ、近隣の懇親会等外部のイベントにも活用されています。
このように地域のみなさんにも親しんでいただける、社交倶楽部として受け入れられることは瀬田ローが目指す、一つの姿でもあると思います。老いも若きもローイングという共通の価値観を持って活動することはボートというアマチュアスポーツにぴったりのライフスタイルだと私は思います。我々瀬田ローも日本ナンバーワン、世界オンリーワンのクラブとして誇りを持って活動したいものですね。