ボートとの出会い、そして…

湯澤公朗

今年の6月8日快晴の日曜日、龍谷大学端艇部主催の「親子レガッタ教室」に参加する機会を得ました。午前中に部員の学生さんからボートについて実物を見ながら説明を受け、エルゴメーターで漕ぎ方の指導およびナックルフォアの乗艇実習等がありボートは腕力ではなく脚力を主に使うこと、力より全員のオールを揃えて漕ぐチームワークが一番大切なことだ等々基本について教えてもらいました。

実際に乗ってみて水面の意外な近さに驚きました。最初はなかなか上手くいかず何度も注意を受けましたが、小一時間もすると何とかオールが揃うようになり徐々に力も入るようになってきました。

その爽快さと言ったら、背中に心地よい風を感じつつ穏やかな川面をすべるように走るボートのすばらしさに魅せられたと言うより、まさに取りつかれたひと時でした。

イベント終了後「瀬田漕艇倶楽部」の話を聞き、翌々日でしたか倶楽部に電話を入れて毎週日曜日に開かれている初心者を対象とした「スカル教室」のことを教えていただき、早速次の日曜日から参加させていただくことになりました。

待ちに待った日曜日、はやる心を抑えながら8時過ぎ倶楽部に到着。

「おはようございます」すでに艇庫前で準備をされていた方々と挨拶を交わし、近くにいた高校生くらいの男の子に今日初参加の旨を告げると二階の更衣室まで案内し、ここで着替えて下で待つようにと教えてくれました。

初日の練習は四人乗りスカルで教室の先輩達と同乗して漕ぎ出し、高谷コーチがシングルスカルで並漕しながら指導してくださいました。それ以来毎週日曜日が楽しみで、待ち遠しくてなりません。

瀬田ローの印象は、心身ともに癒されるような居心地の良さでしょうか。月一回全員集合日の練習後に行われる共同作業は、新旧会員の接点としても有意義な行事だと思っています。

会員も初心者から日本代表クラスの選手、また年齢層も10代から70代までと幅広くそれぞれが自分の体力や目標に合わせた練習を積みながらボートを楽しんでいる様子がうかがわれます。今のところはお世話を掛けてばかりですが、お手伝いできる事があれば積極的に参加し少しでもご恩返しをしたいと思っています。

そして・・・・。

8月中旬のある日の練習後、竹内理事長から今度のクラブ選手権に出てみないかと誘っていただきました。今の実力ではレースなどとても無理とは思いましたが、以前一度経験したナックルフォアならと思わずお願いしてしまいました。その場でメンバーも決めてくださったのですが、瀬田ローマスターズ組きっての猛者の方々とあって高谷コーチには少なからずご心配をお掛けしたようです。

ところは愛知池、当日は曇り時々晴れ、風もなく絶好のレース日和となりました。競技も着々と進みいよいよ我チームの出番となりました。スタート地点へと向かう間に、気持ちも徐々に落ち着きを取り戻し生来の楽天的性格も手伝ってか比較的冷静に合図を待っていました。

レースは、我々と他に1チームそれにクラスの異なる女性チームの3艇同時スタートで行われました。

さあスタート、3〜4回漕ぎふと気が付くと相手チームは早くも視界から消え失せていました。無我夢中で漕ぎ続けましたが、残り300mの地点からが無限のように長く感じられゴールの笛音を聞いた時には結果よりも漕ぎ終わった安堵感で半ば放心状態でした。理事長のご配慮で、整調をマイペースで漕がせていただき無事1,000mを完漕することができました。

最後になりましたが、この未熟者にお付き合いくださった三宅さん、北村さん、古川さんそれに曲がる艇を立て直してくださった山形さん。皆さん、本当にありがとうございました。

これからは技術的な向上と体力の増進を目指して日々精進を重ね、マイペースでのローイングライフを思い切り楽しんで行きたいと思います。

会員の皆さん、今後ともご指導の程よろしくお願いいたします。

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