HEAD出漕記

伊藤弘善

Head of the Setaに出場しました。シングルスカルでの初めてのレースです。がむしゃらに漕いで、終わってしまった感じですが、予想外のいいタイムに満足しています。当日は風もなくコンディション良好。早めにクラブハウスをでてJRの鉄橋付近に向かうが、シングルスカルが密集しており、手前の方で行ったり来たりウォーミングアップするが落ち着かない。次第に艇数が減り、周りは70,80番台の艇が多くなる。89番の加藤さんに「よろしく」と挨拶される。私のNoは87番。去年2位の加藤さんのレース結果と私の練習時のベストタイムから見るとゴール手前で追いつかれる計算になる。(去年1位の田中さんは86番で、私の前にスタート。)加藤さんに追いつかれないことを目標にスタート。出だしから追いつかれないようにと自然にレイトが上がる。フィニッシュで水がジャバと引っかかるが、気を付けて漕いでも直らないのでそのまま漕ぐ。唐橋、新幹線とコースをあまり修正せずに順調に通過。加藤さんも目に見えては追いついてこないので一安心。石山寺港付近で70番台を1艇追い抜かす。調子に乗り漕ぎに力を入れていると、岸の方から「危ないぞ」と声がかかる。振り返るとコーナーのイン側の岸にまっしぐら。あわててバウサイドを強く漕ぎ岸ぎりぎりでコーナー通過。やはり通常の精神状態ではないのか、今度は中央のブイを越えてしまった。また大きくコースを修正してバイパス橋通過。加藤さんに少し距離を詰められた感じ。その後はコース取りに注意して折り返し点ゴール。ガンバレと声をかけてもらうが、息が苦しくて返事の声が出ない。すぐにUターンする。奥で田中さんが休憩しているのが見える。休憩すると、田中さんや加藤さんと接近してのスタートになり、ますます焦りそうなので、休憩なしで折り返しスタート。その後、田中さん、休憩無しで加藤さんもスタートしてくるのが見えた。前半の調子で行けば追いつかれずにゴールできそうと思われたので必死で頑張る。セーヌ不動産対岸の工事現場の横でまた1艇抜かす。抜かすと自然と元気が出て来て漕ぎに力が入るが、漕ぎに集中していると悪い癖で岸に寄りすぎる。まずいと思ったとたんオールがブイに引っかかった。あわてて体勢を立て直して漕いだら10m程後の次のブイにも引っかけてしまった。練習で何度も引っかけて分かっているブイなのに。これで先ほど追い抜いた艇に並ばれてしまった上、赤いブイが舷側を通り過ぎていく。バイパスの橋脚が真後ろに見えた。中央よりにコースを変え橋脚すれすれにバイパス通過。先ほどの艇に少し先行され追いかけるが、今度は追いつくどころか、じわじわと差が開く。向こうが頑張り始めたのか、こちらの艇速があがらないのか、ミスしたことと重なってしばし落ち込んでしまう。水草が張り出しているコーナーで相手がかなり大回りして、急にあっけなく追い越せた。すると不思議なもので、また元気が出てきて名神、唐橋と順調に通過。先ほどの艇は力つきたのか一気に水があいた。でも田中さん、加藤さんはやはり少し近づいて来ている様に見えたので、ラストスパートだと思い、蹴りに力を入れ、レイトも上げようともがいたら、また悪い癖で岸の方に寄ってしまった。案の定ゴール手前の赤ブイに引っかけてしまい大きくバランスを崩し、艇速が落ちたままゴール。最後は少し残念だったが、追い抜かされなかったことに大満足し、クラブハウスに向かった。

レース結果は、田中さん、加藤さんに次いでの三位。密かな目標の36分台も達成でき、ミスも多かったが、現状では満足のいく上出来のレースでした。レースの準備、運営に携われた方々、どうもありがとうございました。

この文書の情報