アダプティブローイングとパラリンピック

トルコで行われた世界ローイングフォーラムで世界パラリンピック委員会代表のPhillipCravenによってアダプティブローイングが注目された。

パラリンピックは第二次世界大戦後に負傷兵のために開催されたものであり、1960年ローマ大会で開催されて以来、現在は24の種目があり、4つのウインタースポーツが含まれている。アダプティブローイングは最も新しい夏の種目である。

2008年の北京パラリンピックでアダプティブローイングは初めて採用される予定である。「アテネでローイングの大会を見たが、ぜひとも私達の大会にも参加して欲しいと望んでいます。」とPhillipは言う。

Phillipは今後の課題として、クラス分けと新規参加者の確保を上げている。この種目のクラス分けは決して充分ではない。アダプティブローイングは3つのクラスに分けられている。

1:LTA4+(脚・胴・腕)このクラスで漕ぐ選手は、胴体や腕を使いながらシートをスライドさせることの出来ることが条件である。片足を失っている、指を失っている、盲目、脳性麻痺、知的障害、軽程度の神経障害などがこの対象となる。

2:TA2×(胴・腕)公正を期すためシートが固定された2×を漕ぐ。骨盤をシートに固定することができることが条件となる。脚が切断されている、神経障害、脳性麻痺、その他身体の障害などが含まれる。

3:Arms1×(腕)固定されたシングルスカルを漕ぐ。シートには高い背もたれがあり、選手を固定し、腕と肩だけで艇を動かすことになる。脳性麻痺、神経障害などの胴体を動かすことが出来ない選手が対象となる。

FISAのアダプティブローイング担当のFayHoはクラス分けシステムの改善を最高の目標に位置付けている。「アダプティブローイングにおける制限の緩和については2002年のセビリアで同意が得られている。」

Hoは2006年のイートン世界選手権までにクラス分けシステムについて完全なものを目指す。世界選手権までに行われるいずれかの世界大会でアダプティブローイングの選手に漕いでもらい、彼らの技能について確認することにしている。もちろん彼らに試合を楽しんでもらうことも重要である。

Hoは北京オリンピックまでには、このシステムを、通常のオリンピックルール程度のものにまで発展させたいと考えている。

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