このキャップに関して馬上さんから届いたメールには、『・・・最初は見にくくて「使い物にならん」という評価になると思います。私も戸田で試験的に2回ほど用いてみた程度で今回がレースでの初使用でした。「意外と使える」というのが私の感触です。頭のちょっとした傾きなどで鏡の中の景色が大きくズレますから、慣れるためにはそれなりの時間を要します。装着して2週間くらい経過しないと違和感はなくならないでしょう。少し経つと鏡の中に的確な後方風景をとらえるコツを会得できるはず。今回、レース中におのずと身についたのですが、バックミラーはそれほど頻繁に見なくてもよいこと、必要なコースポイントで頭の位置を正して、瞬時に後方を確認すること。すなわち直線部など安全が約束されているような場所ではミラーの存在は忘れてもよく、漕ぐ方に専念すればよいのです。慣れない川でレースをする漕手にとっては、バックミラーの効用は決して小さくありません。なんども後ろを振り返ってその都度漕ぎの力が削がれるということが食い止められます。まして橋の存在に気付かずぶつかるといった事故はまず起こりようがありません。ミラー頼りの油断に陥ることは厳に戒めなければなりませんが。瀬田川を熟知したみなさんにとっては、このバックミラー付き帽子はあるいは「無用の長物」かもしれません。しかし川でのレース、練習の安全を確保するためにこの簡便なアイテムはもっと普及してもよいのではないかと思われます。欧米のヘッドレースでは多くの選手がこのミラー付き帽子を着用しています。ことしの米プリンストンでの世界マスターズに参加した三菱ボートクラブのメンバーが「ほとんどのスカラーがミラー付帽子をかぶって練習していた」と報告しています。・・・』とある。
瀬田川を熟知し“脳内ナビ”を保有しているクラブの選手諸君には無用で、僅かな風の抵抗も嫌うかも知れない。瀬田川は水道橋を入れると8つの橋(往復16)がある上カーブも多く漁船、近年観光船も出るし、カーブでは対行艇との接触のキケンもある。“サイド付きキャップ”は瀬田川ではこれから普及しても良く、練習・レースに必須のグッズではないかと思う。元NTTの武良さん(現岐阜経済大)のように体内ナヴィゲータを持つ御仁には不要だが。
ロンドン テームズ川のThe Boat Race*の様子はBBCSportサイトで見ることができ、クリックひとつで5分間の映像で見られるCourse Guideが興味深い。今年はモーターに乗り込んで、ゲストの先輩S.レッドグレイブに川を知り尽くしたM.ピンセントがコースを説明するかたちで、モーターの目線からスタートのPUTNEY橋〜上流ゴールのCHESWICK橋までのS字に蛇行する6マイルのコースが映し出される。一線を退いた余裕の二人の楽しげな会話が流れ、周辺の建造物、橋脚、水の流れや2艇接近の難所などなどマニアックな説明がある。
瀬田ヘッドもスタートからゴールまでをモータからビデオカメラで撮影、橋脚や工事ブイ・水位計などの障害物、カーブ等についての解説ナレーションつきの動画としてネット上に情報提供してはどうだろう。初参加のスカル漕手のみならずビジター参加者皆にとって大いに助けになるのではないだろうか。観点を変えてちょっとした川の観光案内も良い。野村君も興味を示していた。
*英国ではケンブリッジ・オックスフォード対校ボートレースを云う、150回を数える。ボストンのCHARLESはまだ42回だとか。
**4−8July2007、2−6July2008まで決まっている。